2010年12月29日水曜日

東大・京大に入るのは誰か②

 12月26日の記事の続きです。今度は,東大・京大合格者の出身地域の偏りについてみてみましょう。前回は,合格者の組成を,高卒者全体のそれと対比しましたが,ここでは違ったやり方をします。県別の合格者数を出し,それを当該県の高卒者数で除して,合格者出現率を算出してみようと思います。

 サンデー毎日の増刊号から分かる,2010年春の東大・京大合格者数は5,928人です。この年の春の高卒者数は,1,069,129人です(文科省『学校基本調査』)。よって,合格者出現率の全国値は,前者を後者で除して,5.5‰となります。‰(パーミル)とは,千人あたりという意味です。千人につき5.5人ということは,だいたい,180人に1人というところです。


 上の地図は,この値を県別に出し,2‰刻みで色分けしたものです。最大は奈良の27.5‰,最低は青森の0.6‰です。奈良では36人に1人であるのに対し,青森では1,666人に1人です。確率の違いが歴然としています。なお,高率地域は,近畿圏に固まっています。一方,北日本の諸県では,軒並み値が低くなっています。実態として,有力大学への進学機会には,相当の地域差があるとみてよいでしょう。

 どうして,そんなに東大・京大にこだわるのか。各県の生徒は,地元の大学に行けばいいだろう,といわれるかもしれません。それはごもっともです。しかし,東北国,九州国というように,自治の区分けが明確にされている場合は,それでよいのですが,実情はそうではありません。全国を統括する中央官僚を多く輩出しているのは,これらの有力大学でしょう。歴史的にみても,明治期では,中央官僚の養成を,東京帝大が一手に担っていた経緯があります。

 こうみると,上記のような地域格差はいかがなものかという気もします。一極集中,地域間の不均衡発展というような歪みの遠因は,もしかすると,こうした人材リクルートに関わる問題に求められるかもしれません。たとえば,郷土に愛着を持った官僚がいないなど。あくまで,私の勝手な推測ですが。

 多額の税金が投入される有力国立大学については,入学者の地域枠のような制度も,検討されてしかるべきかもしれません。すみません。地方出身者としてのコンプレックスがついつい出てしまいました。これでおしまいにします。

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