2011年8月31日水曜日

教員の死亡率

 教員の死亡率は,どれほどなのでしょうか。激務の仕事なので,人口全体の死亡率よりも高いのではないかと思われますが,数字を出してみるとどうなのでしょう。

 2010年度の文科省『学校教員統計調査』の中間報告によると,2009年度中に,死亡という理由で離職した小学校教員の数は219人だそうです。この年の5月1日時点の小学校の本務教員数は419,518人です。よって,2009年度間の小学校教員の死亡率は,1万人あたりにすると5.2人と算出されます。百分率にすると,0.05%ほどです。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016172

 ちなみに,2009年中の20~59歳人口の死亡率は,1万人あたり16.5人です(厚労省『人口動態統計』より計算)。先の予想に反して,小学校教員の死亡率は,同年齢層の人口全体のそれよりも低くなっています。他の学校種の死亡率も,そうなのでしょうか。幼稚園から大学までの各学校種について,教員の死亡率を出してみました。2009年度間の統計です。


 どの学校種の死亡率も,人口全体の死亡率(16.5)を下回っています。6月25日の記事で,教員の自殺率を出したのですが,自殺率も,人口全体の数字をかなり下回っていました。この記事をみて,「教職は本当に過酷なのか」という疑念を表明しておられる方がいます。それが当たっているかどうかはさておき,常識に挑戦するような,ユニークな見解が出てくるのは好ましいことです。
http://plaza.rakuten.co.jp/123manglove/diary/20110814/

 ところで,学校種間で死亡率を比較すると,上級の学校ほど高いことが知られます。前回は,精神疾患による離職率を出したのですが,そこでは,下の学校ほど値が高い傾向がみられました。しかし,死亡率は,それとは真逆の傾向になっています。

 様相を分かりやすくするため,精神疾患による離職率と,死亡による離職率(=死亡率)をグラフ化してみました。双方とも,2009年間の数字です。


 高等学校以降になると,精神疾患の罹患率よりも,死亡率のほうが高くなります。大学では,後者は前者の6倍以上です。学術研究のような知的活動には,多大なストレスが伴うといいます。「研究者は早死にする」という趣旨の文章を,何かの本で読んだ覚えがあります。大学の先生なんてラクでいいよね,などと揶揄されることが多いのですが,研究者には,研究者なりの気苦労もあるのです。

 教員の死亡率は,文科省の『学校教員統計』のバックナンバーをたどれば,過去からの時系列推移を明らかにすることが可能です。機会をみつけて,手がけてみようと思います。

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