2017年5月1日月曜日

1ルームの賃料相場(首都圏214市区町村)

 新年度が始まって1か月経過しましたが,この春に大学に入った学生さん,新生活には慣れましたか。親元を離れてアパート住まいをしている人も多いでしょうが。ホームシックになったりはしてないでしょうか。

 学生さんですので,1ルームの賃貸を借りている人が多いでしょう。6畳の1部屋に,キッチン・ユニットバス(計4畳ほど)がついているアレです。

 私も学生の頃は,このタイプの部屋に住んでました。大学院博士課程の頃は,小平市で月の家賃は4万円でした。武蔵野線の新小平駅近くで,利便性はよかったですが,小平市の相場からするとどうだったのかなあ。

 総務省の『住宅土地統計』(2013年)から,借家世帯の家賃月額と畳数の分布を知ることができます。両者の平均値を計算し,前者を後者で除せば1畳あたりの家賃月額になり,それを10倍すれば10畳分,つまり1ルーム(6畳部屋+4畳キッチン・ユニットバス)の家賃月額が出てきます。

 私はこのやり方で,首都圏(1都3県)の214市区町村について,1ルームの家賃相場を試算してみました。その結果をご覧に入れましょう。

 上記の資料では,以下のような階級が設けられ,それぞれに該当する借家世帯数が計上されています。


 度数分布から平均値を出すときは,階級値を使うのですよね。階級値とは中間の値のことです。家賃2万以上4万未満の階級の世帯は,中間の3万円と一律に見なします。

 このような仮定を置くことで,平均家賃と平均畳数を出すことができます。各階級の世帯数に階級値を乗じ,それらをトータルし,総世帯数で除せばいいわけです。

 この方式によると,小平市の借家世帯の平均家賃月額は6.34万円,平均畳数は17.77畳なり。1畳あたりの家賃は0.36万円,よって1ルーム(10畳)の家賃は10倍して3.6万円となります。

 私が住んでいたアパートは4.0万円でしたから,普通の相場よりは高かったのだな。ちなみに,今住んでいる横須賀市の値は2.9万円です。まあ,この辺りには1ルームのアパートなんてないですが,神奈川県立保健福祉大学の学生さんが借りる1ルームは,これよりもちょっと高いくらいなんでしょうか。

 同じやり方で,1都3県の214市区町村の数値を出し,マップにすると以下のようになります。1ルームの家賃相場地図です。


 当然すぎる模様ができています。都内23区はほとんどが5万円以上,マックスの港区は6.9万円にもなります。狭い1ルームでも約7万円です。足立区だけは3万円台になってますが…。

 しかし,千葉は全体的に安いようですね。ほとんど真っ白,4万円未満です。神奈川の三浦半島もそう。

 参考までに,地図に落とす前の値の一覧表も載せておきましょう。紙の本ならこんな表は載せられませんが,ブログならスペースは無尽蔵。便利なもんです。


 赤字は5万円超ですが,ほとんどが都内23区です。ご自分の地域に印をつけ,相場と比較してみるのも面白い。首都圏の大学にお子さんを送り出す親御さんの参考になればと思います。

 まあ,築年数や駅からの距離といった他の諸条件を捨象し,平均家賃と畳数から割り出した,乱暴な試算値ですので,あくまで参考まで…。

 ではでは,よいGWを。私は明日,バスと電車に乗って,近場の名所に出かける予定です。晴れますように。