2012年6月15日金曜日

職階別の教員給与

3月27日の記事では,公立学校の教員給与を明らかにしたのですが,一口に教員といっても,いろいろな職階があります。多くは教諭ですが,校長や教頭のような管理職もいます。また最近は,講師や代替教員のような,有期雇用の教員も増えていることでしょう。

 今回は,職階ごとの平均給与額をみてみようと思います。2010年の文科省『学校教員統計調査』には,同年9月の平均給与額が掲載されています。諸手当は含まない本俸の額です。下表は,校種ごとの職階別の額を整理したものです。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016172


 有期雇用の職(講師~代替教員)は,段を分けています。表中の職階で人数的に最も多いのは教諭ですが,小学校教諭の平均月給は33.8万円なり。校長さんは45.7万円。やはり,職階によってかなり違いますね。校種間の差は,どの職階でも,おおよそ「小<中<特<高」となっています。

 賞与等込の年収にすると,公立小学校教諭の場合,33.8万円の12か月分を1.5倍して,だいたい608万円というところでしょうか。校長の推定年収はおよそ823万円なり。むろん,年齢によって大きな幅があるでしょうが,職階ごとに括ると,こういう数字が出てきました。

 次に,各職階の給与水準が,同年齢・同学歴の労働者全体と比してどうかを考えてみましょう。2010年の公立小学校校長の平均年齢は56.8歳です。同年の厚労省『賃金構造基本調査』によると,50代後半の全産業の大卒・大学院卒労働者の平均給与月額(所定内)は50.2万円です。むーん,校長さんの月給(45.7万円)は,民間の同年齢・同学歴の労働者より安いのですねえ。

 では,他の職階についても,同年齢の大卒卒労働者全体の給与と比べてみましょう。本当は性別も統制したいのですが,教員の職階別の給与を男女別に知ることはできませんので,この点はご容赦ください。下表は,公立小学校教員の職階別給与を,同年齢の大卒・大学院卒労働者と比較したものです。


  どの職階の給与も,同年齢・同学歴の労働者全体より低くなっています。教諭の平均月給(33.8万円)は,40代前半の大卒労働者の給与(44.1万円)の約4分の3なり。講師や代替教員のような有期雇用職となると,7割を切ります。この対民間比は,主幹教諭になって8割に達し,最上位の校長になってようやく9割に達する,という具合です。

 教員給与は,管理職でみても,同年齢・同学歴の労働者全体の平均水準に達しないとは意外でした。公立小学校のみならず,他の学校種も同様です。まあ,様相は地域によって大きく異なるでしょう。民間の給与水準が低い地方では,逆の結果になると思われます。

 ところで,諸手当込の年収比較をしたらどうでしょうか。教員の各職階の年収は,「平均月給額×12か月×1.5」で推し量ります。ただし,有期雇用職(講師~代替教員)は,諸手当なしとみなし,「月収×12」とします。

 同年齢の大卒労働者全体については,上記の厚労省資料から年間賞与・他特別手当額が分かるので,「平均給与月額×12か月」にこの額をプラスした値を年収とします。教諭と同年齢の40代前半の大卒労働者の場合,(44.1×12)+154.9 ≒ 684万円なり。

 下表は,公立小学校教員の職階ごとの推定平均年収額を,同年齢の大卒労働者全体のそれと比較したものです。


 教育公務員は諸手当が充実しているので,先ほどの月収比較とは様相が違っています。校長と副校長は,同年齢の大卒労働者の年収額を上回っています。教諭はほぼ9割。月収比較の場合に比したら差が縮まっていますが,手当込の推定年収でみても民間以下とは。

 今回は,教員給与を職階別に出してみました。教員給与は,管理職になってようやく(同年齢・同学歴の)民間労働者並み,ないしはそれを少し上回る水準になることが示唆されました。かなり乱暴な計算をしましたが,これが現実に近いというならば,ちょっと・・・という感じです。

1 件のコメント:

  1. 教員をやる方は給与など気にしていません。民間より低かろうがどうでもよいのです。生活には困ってないですから。
    「仕事=お金を稼ぐこと」という価値観でしか仕事を見れないのであれば私はその方が「ちょっと・・・」と思います。

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