2012年8月20日月曜日

年齢層別の生活保護受給率

 昨今の不況もあってか,生活保護受給者が増えているといわれます。2010年の厚労省『被保護者全国一斉調査』によると,同年7月1日時点の生活保護受給者は188万人となっています。10年前(2000年)の103万人よりも大幅に増加しています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/74-16.html

 人口千人あたりの比率にすると,14.7‰です。百分比でいうと1.47%,すなわち68人に1が生活保護を受けていることになります。この比率を,以下では生活保護受給率ということにしましょう。

 今計算したのは人口全体の受給率ですが,この値は年齢層によってかなり違うと思われます。しかるに,当局の白書では,この点に関する統計はあまり紹介されていないようです。私は,上記の厚労省資料から分かる年齢層別の生活保護受給者数を,各層の人口で除して,年齢層別の生活保護受給率を明らかにしました。分母とした使った人口は,総務省『人口推計年報』から得ました。

 下表は,2000年と2010年について,おおむね10歳刻みの生活保護受給率を示したものです。計算の過程を明瞭にするため,分子と分母のローデータも漏れなく提示いたします。


 まずは,2010年現在の受給率の水準に注意しましょう。先ほどみたように,人口全体の率は14.7‰ですが,60歳以上の高齢層ではこれよりもかなり値が高くなっています。最も高いのは70代で27.3‰です。千人あたり27.3人。つまり,37人に1人が生活保護受給者ということになります。私が高齢者になる頃には,これが「30人に1人」,いや「20人に1人」になっていたりして。

 子どもの受給率は,親世代の40代あたりとほぼ同じになっています。親が保護を受ければ,その子どもも被保護者となりますので。

 さて,20~30代は谷間といいますか,受給率が比較的低くなっています。しかるに,最近10年間の増加倍率という点でいうと,違った側面がみてとれます。2010年の受給率が2000年の何倍かを計算すると,人口全体では,14.7/8.1 ≒ 1.8倍です。ですが,10~30代では2倍を超えます。

 生活保護受給率の伸び幅は,若年層で大きくなっています。言いかえると,最近の経済危機の影響を強く被っているのはこの層である,ということです。

 ここで述べていることを,統計図で視覚化してみましょう。下図は,それぞれの年における各年齢層の受給率が,2000年の何倍にあたるかを,等高線の形で示したものです。本ブログを長くご覧頂いている方は,もうお馴染みかと存じます。色の違いに依拠して,倍率を読み取ってください。


 2010年現在の10~30代の部分に,怪しい黒色の膿があります。これらの層では,基準の2000年に比して,生活保護受給率が2倍以上になっていることを示唆します。

 生活保護受給率の年齢層別数値は,子どもを別とすれば,加齢とともに上昇するのが常でしょう。しかるに,これから先,この構造に変化が起きないとも限りません。1950年代前半の自殺率年齢曲線と同様,若年層と高齢層に山がある「2コブ型」ができてくるかもしれません。

 若年層の生活保護受給率に,もっと関心が向けられるべきかと存じます。バリバリの働き盛りのこの層において,保護受給率が高まることは,時代の病理を反映しているともとれるからです。就労の場を用意し得ていないなど。私はここにて,「働かざる者食うべからず」というような考えを強調しているのではありません。

 若年層の生活保護受給率は,都道府県別に計算することも可能です。さしあたり,私が属する30代について,どういう県で保護受給率が高いのかをみてみようと考えています。

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