2016年2月7日日曜日

結婚・出産による女性の正社員率変化

 タイトルのような現象があることに,異を唱える人はいないでしょう。女性の場合,正社員として働き続けるに際して,結婚・出産が障壁になります。結婚したら寿退職,そうせずに踏ん張ったとしても,子どもができたらギブアップというように。

 その様相を数値で可視化してみましょう。やや古いですが,2010年の『国勢調査』のデータを使います。この資料から,配偶関係・子どもの有無別に,ベース人口と正規職員(以下,正社員)として働いている女性の数を知ることができます。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001039448

 結婚・出産期の25~34歳女性について,人口と正社員の数を整理すると,下表のようになります。2010年0月時点の数値です。


 原統計から分かるのは,未婚者(a),有配偶者(b),有配偶・幼子あり(c)の女性人口および正社員数です。bからcを差し引くことで,有配偶・幼子なしの数を割り出すことができます。この中には,6歳以上の子がいる女性が含まれてしまいますが,まあ,その数はさして多くはないでしょう。

 「未婚」,「有配偶・幼子なし」,「有配偶・幼子あり」の3群の正社員比率を出すと,赤字のようになります。順に49.6%,29.6%,17.5%です。

 やはり,結婚・出産に伴い,女性の正社員率はダウンしますね。結婚に伴い49.6%から29.6%,出産によりさらに17.5%まで減です。

 右端は,未婚者の正社員率を100とした指数です。これによると,結婚により当初から4割減,出産により6割5分の減であることが知られます。

 これは全国統計ですが,様相は地域によって違っています。同じデータを47都道府県について作ってみましたので,ご覧に入れましょう。下の表は,3つの群の正社員率と減少幅を表す指数の一覧表です。黄色は47都道府県中の最高値,青色は最低値を意味します。


 どの県でも,結婚・出産に伴い,女性の正社員比率はダウンしますが,その程度は多様です。

 それは,右端の指数をみれば分かります。山形では,未婚者が54.8%,有配偶・幼子ありが35.8%であり,3割5分の減少です。しかし岐阜では,結婚・出産に伴い,7割5分も正社員率が減ることが分かります(57.7%→31.1%→13.9%)。

 結婚・出産期の女性の正社員率には地域差があり,三世代世帯率や保育所設置率が高い日本海沿岸ゾーンで,それが高いことは知られています。ここでの観察ポイントは,結婚・出産に伴う,女性の正社員率の減少具合です。

 これなども,子がいる女性が働きやすい環境がどれほど整備されているかを測る,メジャーとなるでしょう。右端の指数値が低い県は,自県の状況を点検していただきたいと思います。

 最後に,対照的な2県の様相をグラフにしておきます。上記で言及した,山形と岐阜です。未婚者の正社員率を100とした指数の折れ線です。


 決めつけることはできませんが,この折れ線の傾斜具合によって,結婚・出産の障壁,それに伴う不利益の大きさが可視化されるともいえるでしょう。

 昨年実施された2015年『国勢調査』のデータでは,果たしてどうなっているか。傾斜はいくぶんか,緩やかになっているでしょうか。逆に急になってしまっている県もあるでしょうか。注目ポイントです。

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