2017年1月6日金曜日

職業別の学歴水準スコア

 今週は火曜から木曜にかけて更新をサボったので,今日2本目の記事を投稿しましょう。

 主題は,タイトルの通りです。職業によって年収は違いますが,学歴水準も異なります。医師のように,高度な職務の遂行上,長期にわたる学び(高学歴)が必要な職業もあれば,そうでない職業もあります。

 そういう機能上の必要がなくとも,自分たちの職業の威信を保持するため,参入資格として高学歴を求めている職業もあります(コリンズ)。2012年の中教審答申で,教員志望者には修士の学位をとらせようという案が出されましたが,これは,教える知識内容の高度化というような,機能上の必要ゆえにあらず。今時,保護者の多くが大卒なので,教員の学歴水準を一段高くして,箔をつけようというだけのこと。

 理由はどうであれ,職業によって学歴水準が大きく違うことは,誰もが知っているでしょう。品のない作業ですが,現実を統計で可視化してみましょう。

 毎度使っている総務省『就業構造基本調査』から,それぞれの職業従事者の学歴構成を知ることができます。年齢と性別の影響を除くため,働き盛りの35~44歳男性に限定して,職業別の学歴構成のデータを採取しました。ソースは,下記サイトの表15です。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001048178&cycleCode=0&requestSender=search

 たとえば,教員と介護サービス従事者の学歴構成は,以下のようになっています。


 右欄の構成比をみると,やはり違うものですねえ。教員は9割上が大学ないしは大学院を出ていますが,介護職では高卒が43.8%と最も多くなっています。

 この分布をもとに,学歴水準の高低を測るスコアを出してみましょう。中卒には1点,高卒には2点,専門卒には3点,短大・高専卒には4点,大卒には5点,院卒には6点のスコアを与えます。この場合,教員の学歴スコアは,以下のようにして出されます。

 {(1×0.1)+(2×3.3)+(3×2.3)+(4×1.2)+(5×64.2)+(6×28.9)}/100.0 = 5.126点。

 教員は大半が大卒以上なので,5点を超えます。対して介護職の学歴スコアを同じやり方で出すと3.110点で,教員よりもかなり低くなっています。

 このやり方で,68の職業(中分類)の学歴水準スコアを計算してみました。以下に掲げるのは,その一覧表です。


 スコアが最も高いのは研究者の5.533点で,最も低いのは包装従事者の1.925点となっています。研究者になるには,大学院卒の学歴が要りますからね。

 それに次ぐのは医師で,3位は先ほどみた教員です。赤字は,スコアが4.5点を超える職業なり。法務従事者や記者・編集者なども,屈指の高学歴の職業です。

 スコアが高い順に並べたランキング表も載せておきます。


  これは学歴ですが,年収なんかはどうなのかなあ。教員は学歴は3位ですが,年収のランクはかなり下になるのでは。

 学歴と収入は完全にリニアに相関するのではなく,インテリでも稼げない職業もあり。教員はその典型で,戦前期では待遇が悲惨を極めていたことはよく知られています。今述べたことは,社会学でいう「地位の非一貫性」という概念に通じます。

 職業別の学歴水準の測定作業でした。

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