2011年6月7日火曜日

教員非行

 「少年非行」という言葉はありますが,「教員非行」という言葉があるのかどうか,定かではありません。しかるに,子どもを教え導く存在としての教員にも,悪さをする輩がいます。今回は,そういうワル教員がどれほどいるかを数で把握してみようと思います。

 警察に検挙された教員の数を知るのは難しいので,ここでは,懲戒処分となった教員の数をみてみます。公立学校の教員が,規則違反ないしは,全体の奉仕者にふさわしくない非行をしでかした場合,懲戒処分の対象となります(地方公務員法第29条第1項)。

 最新の2009年度の統計をみると,同年度中に懲戒処分の対象となった公立学校の教員は,565人です(交通事故,争議行為によるものは除く)。この年の公立学校の教員数は916,929人ですから,出現率にすると,1万人あたり6.16人となります。1,623人に1人です。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1300256.htm

 警察に捕まる少年は,同じく1万人あたりでみて,年間だいたい100人くらいです。それに比せば,教員の非行者出現率は,かなり低いと判断されます。もっとも,そうでなかったら困るのですが…

 では,上記の6.16という出現率を,過去と比した相対水準から評価してみましょう。懲戒処分の対象となった教員の出現率(公立学校)は,1988年度から跡づけることができます。資料は,文科省『教育委員会月報』(第一法規)です。下図は,そのグラフです。1999年度は,広島県で職務命令違反者が大量に出たため,率が急騰します。この年度の率は,突発事情として,除外しています。


 懲戒処分を受けた教員の出現率は,1990年では2.02でした。その後,上昇を続け,2003年度には7.71とピークを迎えます。3倍以上の伸びです。その後はやや低下し,2009年度の6.16に至っています。5月31日の記事でみたように,精神疾患で休職する教員が増えていますが,悪さをする教員も増えています。最近の教員の状況というのは,あまりよいものとは判断されないようです。

 ところで,懲戒処分の事由にはいろいろありますが,その中で多いのは体罰やわいせつです。2009年度でいうと,懲戒処分を受けた565人のうち,体罰によるのは150人,わいせつによるのは138人です。この2つだけで,全体の事由の半分以上を占めています。これらの事由によって,懲戒処分を受けた教員の数を跡づけると,下図のようになります。


 1988年度の数を100とした指数で推移を示しています。わいせつによる懲戒処分対象者の激増が一目瞭然です。10倍以上の伸びです。体罰はおよそ4倍です。もっとも,わいせつ教員の増加は,通告活動の活発化により,以前は闇に葬られていたものが表面化するようになった,ということなのかもしれません。最近,セクハラ相談窓口の開設など,被害を申告しやすい状況が整ってきていますので…。でも,上記のような事態は,看過できるものではないでしょう。

 子どもが性犯罪の被害に遭わないよう,出会い系サイトなどの有害情報を携帯電話から閲覧できないようにする,フィルタリング機能の導入が推奨されています。これは,子どもが被害に遭わないようにする対策ですが,加害者となり得る側には,児童買春をしたらこうなる,18歳未満とは知らなかったという理由づけは通用しないなど,法的な事項に関する研修が必要なのではないでしょうか。

 「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」の規定など,きちんと知られているのでしょうか。このような法律があるということすら,知られていなかったりして…

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