2011年6月9日木曜日

都道府県別の通塾率

 今日の子どもの多くは,学校のほかに,学習塾という「第2の学校」に通っています。2月12日の記事では,文科省の調査データから,学年別の通塾率を明らかにしました。今回は,都道府県別の通塾率を明らかにしようと思います。

 各県の教育関係者にとって,自県の子どもがどれほど通塾しているか,ということは大きな関心事でありましょう。しかるに,都道府県別の通塾率の統計は,あるようでないのです。ググれば一発で何かの(公的な)情報が出てくるかと思いきや,そうではありませんでした。

 いろいろと探査した結果,文科省の『全国学力・学習状況調査』において,対象の児童・生徒に,通塾しているかどうかを尋ねていることが分かりました。同調査では,「学習塾(家庭教師を含む)で勉強していますか」という設問を設けています。

 2010年度調査でいうと,この設問に対し,「学習塾に通っていない」と答えた者の比率は,公立小学校6年生で52.6%,中学校3年生で36.9%です。ということは,通塾している者の比率は,前者で47.4%,後者で63.1%,ということになります。この値を通塾率とし,県別に数字を出してみました。統計を閲覧できるURLを貼っておきます。
http://www.nier.go.jp/10chousakekkahoukoku/index.htm


 グラフにすると煩雑で見にくいので,元データの表を掲げます。予想されることではありますが,通塾率にはかなりの都道府県差があるようです。小学校6年生では,最も低い秋田(21.8%)と最も高い神奈川(56.9%)では,35ポイントも開いています。中学校では,最小の岩手(32.7%)と最高の神奈川(73.2%)では,40ポイントも違います。中学校3年生の通塾率が7割を超えるのは,埼玉,神奈川,三重,大阪,兵庫,奈良,および和歌山です。いずれも,大都市やその周辺県です。

 なお,高知では,小6よりも中3の通塾率が低いことが注目されます。中学生になると,通塾率が下がるのです。何か事情があるのでしょうか。


 中学校3年生の通塾率を地図化すると,上記のようになります。首都圏や近畿圏の黒色と,東北の白色のコントラストが目を引きます。都市県で高く,農村県で低いことが一目瞭然です。これはよく知られていることですが,差の規模でみて,高い県と低い県とで,倍以上の開きがあることは,私にとっては発見でした。

 次なる関心事は,こうした通塾率の高低によって,各県の子どもの育ちがどう違うか,ということです。2月12日の記事では,塾通いをしている子どもほど,就寝時間が遅い傾向があることを明らかにしました。これは生活の乱れの側面ですが,はて,学力との関連はどうなのでしょうか。また,4月11日の記事でみたような,いじめに対する意識との相関はどういうものでしょうか。

 県という大きな地域単位の分析であることの限界は承知の上で,次回以降,このようなことを明らかにしてみようと思います。

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