今日は年度末でした。この春で職場を去らねばならない大学助教の悲哀な記事を目にし,思い出しました。
https://anond.hatelabo.jp/20180326180513
今月,私がネット上でキャッチした教員不祥事報道は54件です。年度末ですので,やや多めになっています。歓送会のシーズンですので,酒がらみの不祥事が多いか思いきや,盗撮の事案が最も多くなっています。教室にスマホを設置し,児童の着替えを撮ろうとするなど,卑劣きわまりありません。
「内申書の印鑑を押さない」と脅した校長の事案(赤字)。私の頃も,内申書をちらつかせて生徒をねじ伏せる教員がいましたが,今も健在なんですねえ。私の頃の鹿児島(90年代初頭)は,高校入試で内申書の比重が結構高かったので,生徒は恐れをなしていました。
明日から新年度ですが,新しい媒体での連載が始まります。決裂したプレジデント社のような,金儲けの雑誌を作る会社ではなく,公益財団法人の機関紙(月刊)です。近日中に,この場で告知いたします。
明日から暖かくなりますね。よい春日が続きますように。背景を桜色に変えます。
<2018年3月の教員不祥事報道>
・中学教諭、無断で私立高願書書き換え 通報で発覚
(3/1,神戸新聞,兵庫,中,男)
・中学校長、教員蹴る 佐世保市教委、パワハラ調査へ
(3/1,長崎新聞,長崎,中,男,50代)
・遅刻した生徒にタックル 円盤投げの先に立たせる体罰も
(3/1,朝日,大阪,中,男,31)
・飲酒運転の教諭を現行犯逮捕 縁石に乗り上げて停止しているところを通報
(3/4,産経,群馬,高,男,58)
・バザーで売るため~教諭が女性下着隠し持つ
(3/5,RKBニュース,福岡,高,男,50)
・支援学校教諭がストーカー疑い 女性教諭に振られ「腹立った」
(3/6,神戸新聞,兵庫,特,男,28)
・江南の教諭、女子高生の体触り再逮捕 容疑は否認
(3/7,中日新聞,愛知,小,男,25)
・わいせつ行為で教諭を懲戒免職(3/7,NHK,千葉,中,男,26)
・女性教諭に殴られ小1男児けが、市教委が体罰で調査
(3/7,TBS,神奈川,小,女,61)
・高校教諭、面接質問漏らす…受験生には伝わらず
(3/8,読売,千葉,高,男,28)
・「暴力やめて」訴えても…殴る蹴る、児童に体罰2年
(3/9,朝日,神奈川,小,男,46)
・交通事故を起こした2教諭を懲戒処分
(3/9,河北新報,秋田,小女50代,中男50代)
・暴行容疑の中学校長 戒告処分(3/9,NHK,大分,中,男,60)
・小学校の男性教諭を盗撮で処分(3/12,NHK,栃木,小,男,25)
・教員2人を停職6か月の懲戒処分(3/12,NHK,新潟,小50代,高50代)
・知的障害の小5女児に体罰 男性教諭がタオル絞るように腕ねじる
(3/13,産経,大阪,小,男,60代)
・「殺して」と交際女性迫る 強要未遂容疑で教諭逮捕
(3/14,サンスポ,岐阜,高,男,28)
・LINEに生徒のあざ写真 体罰で中学教諭の処分検討
(3/14,京都新聞,大阪,中男)
・監視アプリ導入:県立高教諭を再逮捕 迷惑行為防止違反容疑で
(3/15,毎日,徳島,高,男,48)
・部活動で男子生徒に体罰、県立高校教諭を減給処分
(3/15,和歌山放送,和歌山,高,男,45)
・懲戒処分:教諭に殴られ生徒が顔骨折(3/16,毎日,和歌山,高,男,45)
・中学教諭、元日に酒気帯び事故 東京都教育委員会、懲戒免職処分
(3/16,産経,東京,中,男,25)
・生徒にわいせつ行為、臨時講師懲戒免職
(3/17,静岡新聞,静岡,高,男,20代)
・小5女児らにわいせつ行為と撮影 京都・御所南小教諭起訴
(3/20,京都新聞,京都,小,男,46)
・教科書を気に入らず授業をボイコット 教員を懲戒免職
(3/20,産経,埼玉,高,男,56)
・陰口録音のため女子トイレにスマホ置いた教諭逮捕
(3/20,日刊スポーツ,大阪,中,男,32)
・わいせつ行為で懲戒免職、鹿児島の公立中男性教諭
(3/20,産経,鹿児島,中,男,50代)
・公立中の23歳女性教諭を懲戒免職 生徒と自宅で複数回にわたり性交渉
(3/20,サンスポ,広島,中,女,23)
・県立高校男性教師 女子高生と自宅で複数回わいせつ行為 懲戒免職 生徒の帰宅遅く発覚(3/21,東海テレビ,岐阜,高,男,24)
・盗撮:高校教諭が女子トイレ 県教委が懲戒免職
(3/21,毎日,千葉,高,男,28)
・酒気帯び運転:2教諭懲戒処分 県教委(3/21,毎日,群馬,高男42,58)
・他人のチップ使用の教頭を停職(3/22,NHK,愛媛,小,男,60)
・教諭体罰…教室から廊下へ投げ飛ばされ生徒負傷 転倒で負傷したことにするよう命令(3/23,埼玉新聞,埼玉,中,男,40)
・傷害で有罪判決、旭川小教諭を懲戒免職
(3/23,秋田魁新報,秋田,小,男,50)
・通勤中に交通事故起こし男性に重傷負わせる 高校教諭を減給処分
(3/23,河北新報,秋田,高,男,20代)
・母親離席で「うんこか」特別支援学校校長、いじめ協議中に
(3/23,産経,大阪,特,男,50代)
・京都府立の特別支援学校教諭が盗撮(3/24,MBS,京都,特,男,31)
・部下の女性教諭に頬寄せて「キスしていい?」 交際女性に定期テストの採点させる
(3/26,産経,東京,わいせつ:小男65,採点させる:中男51)
・ウニ密漁 小学校教諭を減給処分(3/26,NHK,青森,小,男,57)
・路上で女性触る、わいせつ疑いで中学教諭逮捕
(3/27,サンスポ,埼玉,中,男,32)
・生徒に採点手伝わせた教諭減給(3/27,NHK,山形,高,男,50代)
・わいせつなどで教諭2人懲戒免職(3/27,NHK,滋賀,高男,中女)
・「内申書の印鑑押さない」校長が生徒に発言 店で騒いだ生徒集め
(3/27,西日本新聞,福岡,中,男)
・「盗撮で優越感得た」小学校教諭を懲戒免職 地下鉄駅で女性のスカートにスマホ
(3/28,産経,大阪,小,男,29)
・女子高生に裸写真送らせた疑い 市教委、講師を停職処分
(3/28,朝日,愛知,特,男,29)
・下腹部露出の教諭ら2人を懲戒処分
(3/29,朝日,愛知,露出:特男40 生徒と性的関係:高男24)
・校内で生徒盗撮の高校教諭を懲戒免職(3/29,MBS,大阪,高,男,25)
・“児童の裸盗撮”小学校教諭免職(3/29,NHK,北海道,小,男,32)
・川崎市の教諭2人懲戒免職、女児のスカート内を盗撮
(3/29,日刊スポーツ,神奈川,中男41,高男61)
・児童盗撮で講師を懲戒免職 小学校の女子トイレで「性欲を満たすためにした」
(3/29,サンスポ,奈良,小,男,35)
・無断で農業営む教諭を処分、畑で教え子3人無休労働
(3/29,日刊スポーツ,岩手,高,男,40代)
・善通寺のスーパー万引き:小学教諭を停職処分
(3/30,毎日,香川,小,男,26)
・児童に不適切行為 教諭を処分(3/30,NHK,兵庫,小,男,60)
・女児に裸画像送らせ逮捕、小学教諭を停職6か月
(3/30,読売,広島,小,男,35)
2018年3月31日土曜日
2018年3月29日木曜日
南蛮茶屋
横須賀に越してきてから1年が経ちますが,2週間に1回ほどのペースで古巣の多摩市に足を運んでいます。歯医者さんへの通院です。片道2時間半ほど。
「何で近くの歯医者に転院しないんだ」と言われそうですが,まあ,ドクターの人格に惚れたとでも申しておきましょう。永山センター歯科という歯科医院で,保険診療では赤字なんじゃないかと心配になるくらい,懇切丁寧な治療をしてくれます。多摩市の永山や多摩センターに住んでいる方には,ぜひおススメした歯医者さんです。
http://www.n-shika.jp/index.html
私は,子どもの頃の交通事故で上の前歯を1本失い,4連のブリッジをはめています。もう30年近く使っているため,セメントが溶けてグラグラしていますので,作り直すことになりました。
今しているのはセラミックのいいやつなんですが,今度は保険のでよしとしましょう。変色しやすいとのことですが,私は人とあまり会いませんのでね。前歯なんで,接客や営業の仕事をしている人は,おカネがかかってもセラミックにしないといけないでしょうが。
**********
ここに行った後,帰りは京急の横須賀中央駅で途中下車して,行きつけの茶店に行くことが多いです。南蛮茶屋というお店で,先週,日経デュアルの3氏との会合にも使わせていただきました。
駅から徒歩3分ほど。三笠商店街の中に,上り階段の入り口があります。日経デュアルの副編集長氏は「隠れ家みたいですね」と言われてましたが,そんな感じです。
階段を上るとお店の玄関です。店名のごとく,エキゾチックです。
店内はいかにも「ヨコスカ」という感じで,軍艦や防衛大学校の学生さんとかの写真が多く飾られています。すだれで,それぞれの席の間に敷居が設けられているのもニクイ。重要な話をする会合にもピッタリです。
メニューはいろいろありますが,ここのアイスコーヒーは美味い。食べ物の極めつけは,シナモントーストです。
生クリームをつけて口に入れると,頬が落ちます。一口サイズに切り込みが入れられてますので,2~3人で1皿を分け合ってもいいでしょう。丁寧に作っているので,出てくるのにちょっと時間がかかりますが絶品です。
ランチタイム(15:00まで)に行けば,アイスコーヒーとシナモントーストのセット(上記写真)でたった670円。至福の時間を過ごせます。😊
まだ5回しか行ってませんが,店主夫妻とは馴染みになりました。やさしいお人柄です。防衛大学校の学生さんがよく来るそうですが,厳しい訓練に明け暮れている中,憩いが欲しいのでしょうね。
私も憩いを求めて,足を運ばせていただこうと思います。人と会う時はココです。定休は水曜で,8:00~21:00まで長時間営業しています。横須賀に来られた折は,行かれてみたらいかがでしょう。
「何で近くの歯医者に転院しないんだ」と言われそうですが,まあ,ドクターの人格に惚れたとでも申しておきましょう。永山センター歯科という歯科医院で,保険診療では赤字なんじゃないかと心配になるくらい,懇切丁寧な治療をしてくれます。多摩市の永山や多摩センターに住んでいる方には,ぜひおススメした歯医者さんです。
http://www.n-shika.jp/index.html
私は,子どもの頃の交通事故で上の前歯を1本失い,4連のブリッジをはめています。もう30年近く使っているため,セメントが溶けてグラグラしていますので,作り直すことになりました。
今しているのはセラミックのいいやつなんですが,今度は保険のでよしとしましょう。変色しやすいとのことですが,私は人とあまり会いませんのでね。前歯なんで,接客や営業の仕事をしている人は,おカネがかかってもセラミックにしないといけないでしょうが。
**********
ここに行った後,帰りは京急の横須賀中央駅で途中下車して,行きつけの茶店に行くことが多いです。南蛮茶屋というお店で,先週,日経デュアルの3氏との会合にも使わせていただきました。
駅から徒歩3分ほど。三笠商店街の中に,上り階段の入り口があります。日経デュアルの副編集長氏は「隠れ家みたいですね」と言われてましたが,そんな感じです。
階段を上るとお店の玄関です。店名のごとく,エキゾチックです。
店内はいかにも「ヨコスカ」という感じで,軍艦や防衛大学校の学生さんとかの写真が多く飾られています。すだれで,それぞれの席の間に敷居が設けられているのもニクイ。重要な話をする会合にもピッタリです。
生クリームをつけて口に入れると,頬が落ちます。一口サイズに切り込みが入れられてますので,2~3人で1皿を分け合ってもいいでしょう。丁寧に作っているので,出てくるのにちょっと時間がかかりますが絶品です。
ランチタイム(15:00まで)に行けば,アイスコーヒーとシナモントーストのセット(上記写真)でたった670円。至福の時間を過ごせます。😊
まだ5回しか行ってませんが,店主夫妻とは馴染みになりました。やさしいお人柄です。防衛大学校の学生さんがよく来るそうですが,厳しい訓練に明け暮れている中,憩いが欲しいのでしょうね。
私も憩いを求めて,足を運ばせていただこうと思います。人と会う時はココです。定休は水曜で,8:00~21:00まで長時間営業しています。横須賀に来られた折は,行かれてみたらいかがでしょう。
2018年3月25日日曜日
父母の就業タイプと性役割意識の関連
先週の月曜(19日),日経DUALの羽生祥子編集長,片野温副編集長,福本千秋記者とお会いしました。横須賀中央駅までお出ましいただき,行きつけの南蛮茶屋で会合しました。人と滅多に会わない私にとって,楽しい時間でした(先方は逆だったかもしれませんが)。
写真は,その時にいただいた「日経DUAL」のパンフレットです。
http://dual.nikkei.co.jp/
共働きのママ・パパに役立つ情報を発信しようという,しっかりとした理念を持ったネットメディアです。共働き化が進む中,「グッジョブ!」と親指を立てたくなる,いい仕事をしているなあと思います。
2013年12月創刊ですので,歴史は4年とちょっと。人間にたとえると4歳の幼児,これからが楽しみなメディアです。今年12月の5周年に向け,大きな改革も予定しているとのこと。
私もこのウェブ誌には長く連載を書かせていただいてますが,教育社会学の観点からして興味が持たれるのは,父母の就業タイプによって,子どもの育ちがどう違うかです。そうですねえ。親が共働きかどうかで,子どもの性別役割観がどう異なるか,という問題を立ててみましょうか。
内閣府の『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)では,13~29歳の若者に,父と母の就業状態を問うています(F14,F15)。個票データを使って,2つの設問への回答を組み合わせることで,3つのタイプを取り出してみます。
父がフルタイム就業・母が専業主婦
父がフルタイム就業・母がパート就業
父母ともフルタイム就業
他にもタイプは析出できますが,ひとまずこの3タイプの構成をとってみましょう。下図は,7か国の13~29歳の若者の回答分布図です。「瑞」は,スウェーデンを指します。
予想通りといいますか,日韓と欧米諸国の間に断層がありますね。日本は「父フル・母パート」,韓国では伝統的な「父フル・母主婦」が最多ですが,欧米の5か国では「父母ともフル」がマジョリティです。スウェーデンでは,この回答が8割を占めています。
父母ともフルタイムという若者が最も少ないのは日本で,2割ほどしかいません。
女性の社会進出レベルの差がくっきり表れていますが,ここでの関心は,3つのタイプによって,子どもの性役割意識がどう違うかです。本調査のQ15にて,性役割分業への意見が尋ねられています。
Q15-1)男は外で働き,女は家庭を守るべきだ。
Q15-2)子どもが小さいときは,子どもの世話をするのは,母親でないといけない。
この2項目に「賛成」と答えた人の割合を,親の就業タイプの3群ごとに計算してみました。下図は,日本の若者の結果をグラフで示したものです。選択肢は「賛成」「反対」「わからない」ですが,「わからない」という曖昧な回答は,分母から除いて率を出しています。
また父母のモデルの影響は男女で異なると考え,男女で分けて3群の差を見てみます。
両項目とも,賛成の割合は「父フル・母主婦 > 父フル・母パート > 父母ともフル」という,右下がりになっています。伝統的家族で育った子どもほど性別役割分業観が強い,ということです。
この傾向は,男子よりも女子でクリアーです。「男は仕事,女は家庭」の賛成率は,父府・母主婦の伝統家族の子は42.3%ですが,父母ともフルの子は17.5%と,差が大きくなっています。「幼子の世話は母親がすべし」の賛成率も,タイプ間の落差は男子より女子で大きくなっています。
親のモデルの影響は,男子より女子で強いようですね。女子は母親を役割モデルにするといいますが(T.パーソンズ),働く母親を見て育った子は,偏狭な性役割意識が低い傾向は解せます。
ちなみに将来展望も違っていて,該当設問(Q16)とのクロスをとると,「仕事と家庭生活をともに優先したい」と考える女子は,父フル・母主婦では25.7%,父フル・母パートでは38.9%,父母ともフルでは45.5%,となっています。因果関係かどうかは分かりませんが,こういう関連があることにも注意していいでしょう。親のモデルの影響,侮りがたし。
しかし,父母ともフルの共働き家庭の子でも,性役割分業を支持している子の割合が結構高いことに驚かれるかもしれません。家庭でモデルを見せるだけでは不十分で,学校教育における意図的な働きかけ(ジェンダーフリー教育)も必要ということでしょう。
子が3歳になるまでは母親がつきっきりで育児をしないと,よからぬことが起きる。いわゆる「3歳児神話」ですが,これが怪しいことはデータでも示されます。たとえば,「親から愛されている」と感じる子の割合は,父母ともフルタイム就業の家庭で高いのです。
http://dual.nikkei.co.jp/article/084/95/?P=3
最初の図からうかがえるように,日本ではまだまだ共働き家庭が増える余地があります。というか,そうでないと社会が回らぬ事態になっています。母親も働きに出ると,子の育ちに悪影響が出やしないか。後ろ髪を引かれる思いで仕事に出るママさんも多いと聞きますが,そんなことはありますまい。
それは,日経デュアルの記事をお読みいただくと分かるかと思います。膨大なコンテンツですので,どれを読んだらいいか見当がつかぬ人は,昨年12月に出た紙雑誌『日経DUAL Special!』を手にとられるとよいかと存じます。120ページという限られた分量の中で,「これだけは読んで!」という情報が凝縮されています。おススメです。
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/265100.html
写真は,その時にいただいた「日経DUAL」のパンフレットです。
http://dual.nikkei.co.jp/
共働きのママ・パパに役立つ情報を発信しようという,しっかりとした理念を持ったネットメディアです。共働き化が進む中,「グッジョブ!」と親指を立てたくなる,いい仕事をしているなあと思います。
2013年12月創刊ですので,歴史は4年とちょっと。人間にたとえると4歳の幼児,これからが楽しみなメディアです。今年12月の5周年に向け,大きな改革も予定しているとのこと。
私もこのウェブ誌には長く連載を書かせていただいてますが,教育社会学の観点からして興味が持たれるのは,父母の就業タイプによって,子どもの育ちがどう違うかです。そうですねえ。親が共働きかどうかで,子どもの性別役割観がどう異なるか,という問題を立ててみましょうか。
内閣府の『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)では,13~29歳の若者に,父と母の就業状態を問うています(F14,F15)。個票データを使って,2つの設問への回答を組み合わせることで,3つのタイプを取り出してみます。
父がフルタイム就業・母が専業主婦
父がフルタイム就業・母がパート就業
父母ともフルタイム就業
他にもタイプは析出できますが,ひとまずこの3タイプの構成をとってみましょう。下図は,7か国の13~29歳の若者の回答分布図です。「瑞」は,スウェーデンを指します。
予想通りといいますか,日韓と欧米諸国の間に断層がありますね。日本は「父フル・母パート」,韓国では伝統的な「父フル・母主婦」が最多ですが,欧米の5か国では「父母ともフル」がマジョリティです。スウェーデンでは,この回答が8割を占めています。
父母ともフルタイムという若者が最も少ないのは日本で,2割ほどしかいません。
女性の社会進出レベルの差がくっきり表れていますが,ここでの関心は,3つのタイプによって,子どもの性役割意識がどう違うかです。本調査のQ15にて,性役割分業への意見が尋ねられています。
Q15-1)男は外で働き,女は家庭を守るべきだ。
Q15-2)子どもが小さいときは,子どもの世話をするのは,母親でないといけない。
この2項目に「賛成」と答えた人の割合を,親の就業タイプの3群ごとに計算してみました。下図は,日本の若者の結果をグラフで示したものです。選択肢は「賛成」「反対」「わからない」ですが,「わからない」という曖昧な回答は,分母から除いて率を出しています。
また父母のモデルの影響は男女で異なると考え,男女で分けて3群の差を見てみます。
両項目とも,賛成の割合は「父フル・母主婦 > 父フル・母パート > 父母ともフル」という,右下がりになっています。伝統的家族で育った子どもほど性別役割分業観が強い,ということです。
この傾向は,男子よりも女子でクリアーです。「男は仕事,女は家庭」の賛成率は,父府・母主婦の伝統家族の子は42.3%ですが,父母ともフルの子は17.5%と,差が大きくなっています。「幼子の世話は母親がすべし」の賛成率も,タイプ間の落差は男子より女子で大きくなっています。
親のモデルの影響は,男子より女子で強いようですね。女子は母親を役割モデルにするといいますが(T.パーソンズ),働く母親を見て育った子は,偏狭な性役割意識が低い傾向は解せます。
ちなみに将来展望も違っていて,該当設問(Q16)とのクロスをとると,「仕事と家庭生活をともに優先したい」と考える女子は,父フル・母主婦では25.7%,父フル・母パートでは38.9%,父母ともフルでは45.5%,となっています。因果関係かどうかは分かりませんが,こういう関連があることにも注意していいでしょう。親のモデルの影響,侮りがたし。
しかし,父母ともフルの共働き家庭の子でも,性役割分業を支持している子の割合が結構高いことに驚かれるかもしれません。家庭でモデルを見せるだけでは不十分で,学校教育における意図的な働きかけ(ジェンダーフリー教育)も必要ということでしょう。
子が3歳になるまでは母親がつきっきりで育児をしないと,よからぬことが起きる。いわゆる「3歳児神話」ですが,これが怪しいことはデータでも示されます。たとえば,「親から愛されている」と感じる子の割合は,父母ともフルタイム就業の家庭で高いのです。
http://dual.nikkei.co.jp/article/084/95/?P=3
最初の図からうかがえるように,日本ではまだまだ共働き家庭が増える余地があります。というか,そうでないと社会が回らぬ事態になっています。母親も働きに出ると,子の育ちに悪影響が出やしないか。後ろ髪を引かれる思いで仕事に出るママさんも多いと聞きますが,そんなことはありますまい。
それは,日経デュアルの記事をお読みいただくと分かるかと思います。膨大なコンテンツですので,どれを読んだらいいか見当がつかぬ人は,昨年12月に出た紙雑誌『日経DUAL Special!』を手にとられるとよいかと存じます。120ページという限られた分量の中で,「これだけは読んで!」という情報が凝縮されています。おススメです。
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/265100.html
2018年3月23日金曜日
学生の結婚・異性交際
型破りな広告で知られる近畿大学ですが,広報部長の世耕氏は次のように述べています。
「大学時代は,人生の最高の時。私の持論は“いい彼女が1人見つかったら,そいつの大学時代は楽しいはず”というものです。いくら勉強しても,彼女・彼氏が見つからないと4年間はつまらない」。
http://news.livedoor.com/article/detail/11236151/
そうですねえ。青年期はアイデンティティ確立の時期で(エリクソン),そのための様々な試行錯誤を許されたモラトリアムの時期ですが,異性との交際の経験を得る,というのも大事なことかもしれません。
青年期の後の前成人期では,人生を共にする伴侶を見つけることを期待されますが,欧米では,同棲(事実婚)といった「お試し」をする学生も多いのだそうです。10代の高校生でも,そういうことをする生徒がいるのだとか。
ホントかよと思いますが,データで確かめてみましょう。用いるのは,内閣府『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)の個票データです。7か国の高校生・大学生のサンプルを取り出し,結婚・恋人の有無(F3)とのクロスをとってみます。
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html
本調査の対象は,13~29歳の若者ですが,生徒・学生の年齢構成の影響を除くため,25歳以上を外した,13~24歳を分析対象とします。この年齢層の高校生・大学生のサンプル数・平均年齢を整理すると,以下のようです。
どの国も,分析の耐え得るサンプル数です(英仏の大学生は100人を割ってますが)。伝統的な在学年齢(25歳未満)に絞っているので,平均年齢にも大差はありません。
では,これらのサンプルを使って,高校生・大学生の結婚・異性交際の状況をみてみましょう。無回答と,量的に少ない離別・死別者は分析対象から除外します。
欧米では,結婚している生徒・学生が結構います。米英独仏では,結婚(事実婚含む)者の率は,大学より高校で高くなっています。フランスでは,高校生の3割近くが結婚しています。この国では,高校生でも「お試し婚」をするという話を何かの本で読んだ記憶がありますが,ホントなんですね。
ピンクの「恋人はいる」までも合わせると,欧米の高校生の4~5割,大学生の5~7割が該当します。
奥手なのは東アジアの2国で,日本では高校生の86%,大学生の81%が「恋人すらいない」と答えています。最近は締め付けが厳しくなっているので,勉強に忙しく,異性交際なんてするヒマがないのか…。学習時間の増加,交際時間の減少。学生の「マジメ化・ウチ化」現象は,前にデータで示したことがあります。
http://tmaita77.blogspot.jp/2014/06/blog-post_24.html
上記のデータでは,日本の高校生・大学生で,結婚をしている者は皆無です。「卒業→就職→結婚→出産」というイベント順序が支配的で,それから外れると咎められる社会ですからね。
しかしわが国でも少数ながら,学生結婚はあります。悉皆調査の『国勢調査』から,15~24歳の学生のうち,有配偶者が何%かを出せます。ここでいう学生とは,労働力状態が「通学のかわたら仕事」ないしは「通学」の者です。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
1995年と2015年の数値を計算してみます。配偶関係不詳者は分母から除外して出したパーセンテージです。
1995年 = 10,900/9,557,440 = 0.114%
2015年 = 10,058/6,899,152 = 0.146%
わずかですが,結婚している学生の出現率が上がっているではないですか。最近の統計では,この数値を都道府県別に算出できます。以下は,2015年の『国勢調査』から出した数値のランキングです。
最高は沖縄の0.280%(357人に1人),最低は奈良の0.085%(1176人に1人)となっています。
スウェーデンでは,大学内に託児所があり,学費も無償。出産育児と学業の両立ができる条件があるそうです。なるほど,上記の帯グラフにあるように,結婚している学生が3割もいるわけですよね(25歳未満のヤング学生に限っても)。
https://twitter.com/takebata/status/976722961259360256
日本でも,子持ちの社会人学生がキャンパスに多くなれば,そういう条件を整えなくいけなくなるでしょう。子育てをしながら勉強する先輩学生の姿が,20歳そこそこのヤング学生にとってのモデルになり,異性交際・結婚・子育て生活への(見えざる)イントロになるかもしれません。
日本の大学進学率は50%超で,若き青年男女の多くが大学に籍を置いています。この環境を操作することも,未婚化・少子化の解決に寄与するかもしれませんね。大学をして,同年齢の学生が勉強をするだけの場にしてはいけないでしょう。それでは中高と同じです。
大学とは本来,異質で多様な「ストレンジャー」が出入りする場所なのです。
「大学時代は,人生の最高の時。私の持論は“いい彼女が1人見つかったら,そいつの大学時代は楽しいはず”というものです。いくら勉強しても,彼女・彼氏が見つからないと4年間はつまらない」。
http://news.livedoor.com/article/detail/11236151/
そうですねえ。青年期はアイデンティティ確立の時期で(エリクソン),そのための様々な試行錯誤を許されたモラトリアムの時期ですが,異性との交際の経験を得る,というのも大事なことかもしれません。
青年期の後の前成人期では,人生を共にする伴侶を見つけることを期待されますが,欧米では,同棲(事実婚)といった「お試し」をする学生も多いのだそうです。10代の高校生でも,そういうことをする生徒がいるのだとか。
ホントかよと思いますが,データで確かめてみましょう。用いるのは,内閣府『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(2013年)の個票データです。7か国の高校生・大学生のサンプルを取り出し,結婚・恋人の有無(F3)とのクロスをとってみます。
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html
本調査の対象は,13~29歳の若者ですが,生徒・学生の年齢構成の影響を除くため,25歳以上を外した,13~24歳を分析対象とします。この年齢層の高校生・大学生のサンプル数・平均年齢を整理すると,以下のようです。
どの国も,分析の耐え得るサンプル数です(英仏の大学生は100人を割ってますが)。伝統的な在学年齢(25歳未満)に絞っているので,平均年齢にも大差はありません。
では,これらのサンプルを使って,高校生・大学生の結婚・異性交際の状況をみてみましょう。無回答と,量的に少ない離別・死別者は分析対象から除外します。
欧米では,結婚している生徒・学生が結構います。米英独仏では,結婚(事実婚含む)者の率は,大学より高校で高くなっています。フランスでは,高校生の3割近くが結婚しています。この国では,高校生でも「お試し婚」をするという話を何かの本で読んだ記憶がありますが,ホントなんですね。
ピンクの「恋人はいる」までも合わせると,欧米の高校生の4~5割,大学生の5~7割が該当します。
奥手なのは東アジアの2国で,日本では高校生の86%,大学生の81%が「恋人すらいない」と答えています。最近は締め付けが厳しくなっているので,勉強に忙しく,異性交際なんてするヒマがないのか…。学習時間の増加,交際時間の減少。学生の「マジメ化・ウチ化」現象は,前にデータで示したことがあります。
http://tmaita77.blogspot.jp/2014/06/blog-post_24.html
上記のデータでは,日本の高校生・大学生で,結婚をしている者は皆無です。「卒業→就職→結婚→出産」というイベント順序が支配的で,それから外れると咎められる社会ですからね。
しかしわが国でも少数ながら,学生結婚はあります。悉皆調査の『国勢調査』から,15~24歳の学生のうち,有配偶者が何%かを出せます。ここでいう学生とは,労働力状態が「通学のかわたら仕事」ないしは「通学」の者です。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
1995年と2015年の数値を計算してみます。配偶関係不詳者は分母から除外して出したパーセンテージです。
1995年 = 10,900/9,557,440 = 0.114%
2015年 = 10,058/6,899,152 = 0.146%
わずかですが,結婚している学生の出現率が上がっているではないですか。最近の統計では,この数値を都道府県別に算出できます。以下は,2015年の『国勢調査』から出した数値のランキングです。
最高は沖縄の0.280%(357人に1人),最低は奈良の0.085%(1176人に1人)となっています。
スウェーデンでは,大学内に託児所があり,学費も無償。出産育児と学業の両立ができる条件があるそうです。なるほど,上記の帯グラフにあるように,結婚している学生が3割もいるわけですよね(25歳未満のヤング学生に限っても)。
https://twitter.com/takebata/status/976722961259360256
日本でも,子持ちの社会人学生がキャンパスに多くなれば,そういう条件を整えなくいけなくなるでしょう。子育てをしながら勉強する先輩学生の姿が,20歳そこそこのヤング学生にとってのモデルになり,異性交際・結婚・子育て生活への(見えざる)イントロになるかもしれません。
日本の大学進学率は50%超で,若き青年男女の多くが大学に籍を置いています。この環境を操作することも,未婚化・少子化の解決に寄与するかもしれませんね。大学をして,同年齢の学生が勉強をするだけの場にしてはいけないでしょう。それでは中高と同じです。
大学とは本来,異質で多様な「ストレンジャー」が出入りする場所なのです。
2018年3月16日金曜日
寡夫の自殺率
デュルケムの『自殺論』は,社会学の古典中の古典として知られています。個々人の私的な事情は一切排斥し,自殺の社会的要因を手堅い統計分析で究明しています。
http://www.chuko.co.jp/bunko/1985/09/201256.html
その基本的なトーンは,社会的連帯が弱まるほど自殺率は高くなる,しっかりとした集団につなぎ留められていない人ほど自殺しやすい,というものです。社会的存在としての人間の様が,データで示されています。「人は集団に属することなくして,自分自身を目的としては生きられない」とは,本書の名言です。
本書では,18~19世紀のヨーロッパの統計をもとに,属性別の自殺率が算出されています。原書が出たのは19世紀末で,コンピュータはおろか,電卓すらなかった時代です。統計局の友人タルドの協力を得たとはいえ,手作業であれだけのデータを揃えるのは,膨大な労力を要したことでしょう。
大昔の異国(フランス)の作品ですが,そこに盛られているデータは,現在の日本でも再現することができます。たとえば,配偶関係別の自殺率です。デュルケムは,配偶者と離別ないしは死別した人の自殺率がべらぼうに高い,としています。人とのつながりを持たぬ人,集団に属さぬ人は自殺しやすいという,自己本位的自殺(suicide égoïste)の根拠です。
今の日本でもこのような傾向は見受けられますが,男女で分けてみると,興味深い事実が出てきます。2015年の統計をもとに,男女の配偶関係別の自殺率を計算してみました。分子は『人口動態統計』,分母は『国勢調査』から得ています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
家族を持っている有配偶者で自殺率は低く,未婚者,離・死別者になるにつれ高くなります。この傾向は男女とも同じです。
しかし,男性の離・死別者の自殺率は高いですねえ。とりわけ,若い寡夫の自殺率はハンパありません。働き盛りの男性が頑張れるのは,妻の支え(犠牲)があってのことなのでしょうか…。
未婚男性の自殺率は,寡夫よりはかなり低くなっています。妻がいないのは同じですが,妻のサポートに依存し,それを失った男性のダメージが大きい,ということでしょう。
上表の自殺率を折れ線グラフにしておきます。
こういうデータをみると,「オトコは弱き者」という思いを禁じ得ません。「女性も自立の時代,自立支援を!」とか言われますが,本当に自立支援(別の意味での)が必要なのは,男性かもしれません。今後,離婚率も高まってくるでしょうしね。
男女のジェンダー規範が強い社会ほど,こういう傾向が強いのではないかと思われます。国際比較をしたら,上記のようなグラフができるのは,日本だけではないでしょうか。
あいにくその作業は叶いませんが,未婚男性の不幸感が際立って大きいのは日本の特徴ということは,前に示したことがあります。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5154.php
日本は,女性が男性に頼っている社会といわれますが,実際はその反対なのかもしれません。
http://www.chuko.co.jp/bunko/1985/09/201256.html
その基本的なトーンは,社会的連帯が弱まるほど自殺率は高くなる,しっかりとした集団につなぎ留められていない人ほど自殺しやすい,というものです。社会的存在としての人間の様が,データで示されています。「人は集団に属することなくして,自分自身を目的としては生きられない」とは,本書の名言です。
本書では,18~19世紀のヨーロッパの統計をもとに,属性別の自殺率が算出されています。原書が出たのは19世紀末で,コンピュータはおろか,電卓すらなかった時代です。統計局の友人タルドの協力を得たとはいえ,手作業であれだけのデータを揃えるのは,膨大な労力を要したことでしょう。
大昔の異国(フランス)の作品ですが,そこに盛られているデータは,現在の日本でも再現することができます。たとえば,配偶関係別の自殺率です。デュルケムは,配偶者と離別ないしは死別した人の自殺率がべらぼうに高い,としています。人とのつながりを持たぬ人,集団に属さぬ人は自殺しやすいという,自己本位的自殺(suicide égoïste)の根拠です。
今の日本でもこのような傾向は見受けられますが,男女で分けてみると,興味深い事実が出てきます。2015年の統計をもとに,男女の配偶関係別の自殺率を計算してみました。分子は『人口動態統計』,分母は『国勢調査』から得ています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
家族を持っている有配偶者で自殺率は低く,未婚者,離・死別者になるにつれ高くなります。この傾向は男女とも同じです。
しかし,男性の離・死別者の自殺率は高いですねえ。とりわけ,若い寡夫の自殺率はハンパありません。働き盛りの男性が頑張れるのは,妻の支え(犠牲)があってのことなのでしょうか…。
未婚男性の自殺率は,寡夫よりはかなり低くなっています。妻がいないのは同じですが,妻のサポートに依存し,それを失った男性のダメージが大きい,ということでしょう。
上表の自殺率を折れ線グラフにしておきます。
こういうデータをみると,「オトコは弱き者」という思いを禁じ得ません。「女性も自立の時代,自立支援を!」とか言われますが,本当に自立支援(別の意味での)が必要なのは,男性かもしれません。今後,離婚率も高まってくるでしょうしね。
男女のジェンダー規範が強い社会ほど,こういう傾向が強いのではないかと思われます。国際比較をしたら,上記のようなグラフができるのは,日本だけではないでしょうか。
あいにくその作業は叶いませんが,未婚男性の不幸感が際立って大きいのは日本の特徴ということは,前に示したことがあります。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/post-5154.php
日本は,女性が男性に頼っている社会といわれますが,実際はその反対なのかもしれません。
2018年3月14日水曜日
一人親世帯の増加
子どもの貧困が社会問題化して久しく,最近では18歳未満の子どもの6人に1人が貧困世帯に属するという計算です。貧困世帯とは,年収が全世帯の中央値の半分に満たない世帯をいいます。
2月22日の記事でみたように,親世代の収入が減っていることもあるでしょうが,子どもの貧困率が上がっている一番のファクターは,一人親世帯が増えていることではないでしょうか。
一人親世帯の数は,基幹統計の『国勢調査』から知ることができます。定義によって数は変わりますが,「18歳未満の子がいる世帯で,男親ないしは女親と子だけからなる世帯」としましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
これによると一人親世帯の数は,1990年では93万3648世帯でしたが,2015年では120万9964世帯に増えています。少子化により,18歳未満の子がいる世帯が減っているのとは対照的です。結果,子がいる世帯全体に占める割合は,6.0%から10.5%に上昇しています。最近では,子がいる世帯の1割は一人親世帯であると。
同じやり方で,一人親世帯の率を都道府県別に計算すると,以下の表のようになります。18歳未満の子がいる一般世帯のうち,上記の定義の一人親世帯が何%かです。
2015年の最高値は沖縄で15.9%,18歳未満の子がいる世帯の7分の1が一人親世帯ということになります。
この四半世紀の変化をみると,どの県でも値が増加しています。8つの県で,率が倍以上に増えています(右端の倍率)。一人親世帯(大半が母子世帯)の所得は二人親世帯に比して著しく低いので,貧困状態の子どもが全国的に増えていることの可視化ともいえましょう。
赤字は10%以上の数値です。1990年では沖縄だけでしたが,2015年では25県,半数以上の県が該当します。京都以西の西日本の県は,島根以外全部赤字です。地図にすると「西高東低」の模様がクリアーです。↓
https://twitter.com/tmaita77/status/973519623776714752
私の推測ですが,一人親世帯になったことによる移住(Uターン)があるのかもしれませんね。実家の親元の近くにUターンする,あるいはシングルマザーの優遇政策をとっている自治体に移住するなど。島根県の浜田市は,介護職に就いてもらうことを条件に,母子世帯への支援を手厚くしているそうです。
『国勢調査』では,同じ定義の一人親世帯率を市区町村別に出すこともできます。18歳未満の子がいる一般世帯数(分母),うち父ないしは母と子だけからなる世帯(分子)とも,市区町村別の数を知ることが可能です。
私は,首都圏の1都3県(東京,埼玉,千葉,神奈川)の市区町村別の一人親世帯率を出してみました。1990年は285,2015年は242市区町村のデータです。政令指定都市は,市内の区ごとに率を計算しました。
200以上の地域の一人親世帯率を全部示すことはできませんので,1%刻みの度数分布表をご覧いただきましょう。
この25年間で,分布が高い方にスライドしています。最頻階級(Mode)は,1990年は4%台でしたが,2015年は9%台です。2015年では,一人親世帯率10%以上の市区町村が全体の3割を占めています。
表では,5%未満,5%以上10%未満,10%以上の3つに区切った線を引いていますが,この階級区分を適用して,首都圏の市区町村を塗り分けた地図にしたらどうでしょう。
「変わっているなあ」という感想以外,何も出てきません。2015年では地図の模様が濃くなり,一人親世帯率が10%超える地域(濃い赤色)も出てきています。上述のとおり,全体の3分の1ほどです。
わが国では,二人親制度を前提に諸制度が組み立てられています。それが証拠に,子どもの貧困率の国際比較をすると,一人親世帯の貧困率が飛び抜けて高くなっています。世界一です。一人親世帯に限ると,親が働いていない世帯より,親が働いている世帯の貧困率が高いという,何とも奇異な現象すら見られます。シングルの親が就労しても,生活扶助レベルの収入すら得られない,ということです。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8063.php
2020年,2030年には,上記の地図の模様はますます濃くなることでしょう。そうなったとき,二人親世帯を前提にした諸制度は機能障害(不全)を起こすに違いありません。
親が未婚の一人親世帯が増えてくることにも注意しないといけません。未婚の一人親は「寡婦(夫)」ではないため,各種の支援の対象から外されているのですが,今年の6月以降,政令を改正することにより,保育料の軽減や職業訓練の給付金支給などは受けられることになります。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018020402000114.html
ただし,所得税の控除については,税法上の「寡婦(夫)」の定義を変える必要があるため,適用は見送られるとのこと。政府関係者は「寡婦に未婚を加えると,結婚して出産するという伝統的な家族観の変化を主導する話になりかねない」(上記,東京新聞記事)と言いますが,「伝統的な家族観」が時代にそぐわなくなっていることを認識すべきです。
「旦那は要らぬが子どもは欲しい」。こういう考えの若い女性は結構いるようで,仮にこの人たちが出産に踏み切った場合,わが国の出生数は団塊ジュニアの頃に回帰すると期待されます。フランスやスウェーデンでは,生まれてくる子どもの半分以上が婚外子ですが,未婚のシングルでも子育てできるようになれば,悩ましい少子化問題も快方に向かうかもしれません。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7974_1.php
一人親世帯の増加をデータで見ましたが,このような家族変化は,時代遅れの「伝統的な家族観」を覆すことを求めています。それができるかどうかは,子どもの貧困解消だけでなく,少子化という根源問題の行方にも関わると思うのですが,どうでしょうか。
2月22日の記事でみたように,親世代の収入が減っていることもあるでしょうが,子どもの貧困率が上がっている一番のファクターは,一人親世帯が増えていることではないでしょうか。
一人親世帯の数は,基幹統計の『国勢調査』から知ることができます。定義によって数は変わりますが,「18歳未満の子がいる世帯で,男親ないしは女親と子だけからなる世帯」としましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
これによると一人親世帯の数は,1990年では93万3648世帯でしたが,2015年では120万9964世帯に増えています。少子化により,18歳未満の子がいる世帯が減っているのとは対照的です。結果,子がいる世帯全体に占める割合は,6.0%から10.5%に上昇しています。最近では,子がいる世帯の1割は一人親世帯であると。
同じやり方で,一人親世帯の率を都道府県別に計算すると,以下の表のようになります。18歳未満の子がいる一般世帯のうち,上記の定義の一人親世帯が何%かです。
2015年の最高値は沖縄で15.9%,18歳未満の子がいる世帯の7分の1が一人親世帯ということになります。
この四半世紀の変化をみると,どの県でも値が増加しています。8つの県で,率が倍以上に増えています(右端の倍率)。一人親世帯(大半が母子世帯)の所得は二人親世帯に比して著しく低いので,貧困状態の子どもが全国的に増えていることの可視化ともいえましょう。
赤字は10%以上の数値です。1990年では沖縄だけでしたが,2015年では25県,半数以上の県が該当します。京都以西の西日本の県は,島根以外全部赤字です。地図にすると「西高東低」の模様がクリアーです。↓
https://twitter.com/tmaita77/status/973519623776714752
私の推測ですが,一人親世帯になったことによる移住(Uターン)があるのかもしれませんね。実家の親元の近くにUターンする,あるいはシングルマザーの優遇政策をとっている自治体に移住するなど。島根県の浜田市は,介護職に就いてもらうことを条件に,母子世帯への支援を手厚くしているそうです。
『国勢調査』では,同じ定義の一人親世帯率を市区町村別に出すこともできます。18歳未満の子がいる一般世帯数(分母),うち父ないしは母と子だけからなる世帯(分子)とも,市区町村別の数を知ることが可能です。
私は,首都圏の1都3県(東京,埼玉,千葉,神奈川)の市区町村別の一人親世帯率を出してみました。1990年は285,2015年は242市区町村のデータです。政令指定都市は,市内の区ごとに率を計算しました。
200以上の地域の一人親世帯率を全部示すことはできませんので,1%刻みの度数分布表をご覧いただきましょう。
この25年間で,分布が高い方にスライドしています。最頻階級(Mode)は,1990年は4%台でしたが,2015年は9%台です。2015年では,一人親世帯率10%以上の市区町村が全体の3割を占めています。
表では,5%未満,5%以上10%未満,10%以上の3つに区切った線を引いていますが,この階級区分を適用して,首都圏の市区町村を塗り分けた地図にしたらどうでしょう。
「変わっているなあ」という感想以外,何も出てきません。2015年では地図の模様が濃くなり,一人親世帯率が10%超える地域(濃い赤色)も出てきています。上述のとおり,全体の3分の1ほどです。
わが国では,二人親制度を前提に諸制度が組み立てられています。それが証拠に,子どもの貧困率の国際比較をすると,一人親世帯の貧困率が飛び抜けて高くなっています。世界一です。一人親世帯に限ると,親が働いていない世帯より,親が働いている世帯の貧困率が高いという,何とも奇異な現象すら見られます。シングルの親が就労しても,生活扶助レベルの収入すら得られない,ということです。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-8063.php
2020年,2030年には,上記の地図の模様はますます濃くなることでしょう。そうなったとき,二人親世帯を前提にした諸制度は機能障害(不全)を起こすに違いありません。
親が未婚の一人親世帯が増えてくることにも注意しないといけません。未婚の一人親は「寡婦(夫)」ではないため,各種の支援の対象から外されているのですが,今年の6月以降,政令を改正することにより,保育料の軽減や職業訓練の給付金支給などは受けられることになります。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018020402000114.html
ただし,所得税の控除については,税法上の「寡婦(夫)」の定義を変える必要があるため,適用は見送られるとのこと。政府関係者は「寡婦に未婚を加えると,結婚して出産するという伝統的な家族観の変化を主導する話になりかねない」(上記,東京新聞記事)と言いますが,「伝統的な家族観」が時代にそぐわなくなっていることを認識すべきです。
「旦那は要らぬが子どもは欲しい」。こういう考えの若い女性は結構いるようで,仮にこの人たちが出産に踏み切った場合,わが国の出生数は団塊ジュニアの頃に回帰すると期待されます。フランスやスウェーデンでは,生まれてくる子どもの半分以上が婚外子ですが,未婚のシングルでも子育てできるようになれば,悩ましい少子化問題も快方に向かうかもしれません。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/07/post-7974_1.php
一人親世帯の増加をデータで見ましたが,このような家族変化は,時代遅れの「伝統的な家族観」を覆すことを求めています。それができるかどうかは,子どもの貧困解消だけでなく,少子化という根源問題の行方にも関わると思うのですが,どうでしょうか。
2018年3月11日日曜日
正社員の副業実施率
収入を増やし,新たなスキルを身に付けてほしい。政府は,正社員の副業を推奨する方針を示しています。副業解禁の動きも広がっているそうですが,正社員の副業実施率は何%くらいなんでしょう。
毎度使っている『就業構造基本調査』から,該当のデータを計算することができます。やや古いですが,現時点で公開されている最新の2012年調査のデータをもとに,正社員の副業実施率を出してみましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200532&result_page=1
同年10月時点の全国の正規職員は3311万400人で,うち何らかの副業がある者は59万6300人です。よって,副業実施率は1.8%と算出されます。およそ55人に1人です。
副業といっても農業が多いですので,原資料では「非農林業」の副業がある者の数値も出ています。こちらは36万3200人で,正社員あたりの割合は1.1%となります。
うーん,いかにも少ない印象ですが,年齢層別の数値を出すと,以下のようになります。
年齢が上がるほど高くなっていきます。40代後半以降になると2%を超えますが,定年後に備える人も出てくるのでしょう。
60代になると4%以上になりますが,定年後の再雇用(雇用延長)となると,勤務時間が短くなるので,副業もしやすくなるでしょう。お給料も減らされるので,+αの稼ぎを得ないとやっていけない,というのもあろうかと思います。
都道府県別の副業実施率も計算することができます。働き盛りのアラフォー年代(35~44歳)の正規職員のうち,副業をしている者,農林業以外の副業をしている者の比率を出してみました。以下は,その一覧です。
赤字は最高値で,副業実施率2%以上,農林業以外の副業実施率1%以上の数値には黄色マークをつけました。
トータルの副業実施率が最も高いのは秋田の2.8%で,青森,山形と,東北県が上位3位を占めています。地方県で高くなっていますが,多くは農業でしょう。
農林業以外の副業率をみると,順位構造がかなり変わり,東京のような大都市も上位に入ってきます。ネットの副業でしょうね。トップは沖縄ですが,当地の副業として,現地の魅力をブログで発信する,特産品をネット販売するなどがあるそうです。
しかし,今から6年前のデータとはいえ,わが国の正社員の副業実施率がこうも低いことに驚きを禁じ得ません。「副業解禁とはどの口が言った?」という感じです。2017年の調査データでは,値は上がっているかもしれませんが。
先日公表したニューズウィーク記事でも書きましたが,高齢期の主な働き方はフリーランスです。組織を離れた後は自分で稼ぐ,実に分かりやすい構図です。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9699.php
人生100年の時代,定年後を引退期として過ごすのは経済的にも心理的にも不可能ですが,会社にぶら下がりっぱなしで,自分で稼ぐ術を知らぬ人は,後々苦労することになるでしょう。副業をし,どこででも通用する汎用性あるスキルを身に付けておきたいものです。
しかるに,今回のデータをみて希望を持った人もおられると思います。逆をとれば,ちょっとした副業をすれば「100人に1人の逸材になれる」と。思い立ったが吉。そこで即実行に移し,継続できる人に対しては,人生は甘いもの。行動あるのみです。
https://twitter.com/badassceo/status/941959272467906560
毎度使っている『就業構造基本調査』から,該当のデータを計算することができます。やや古いですが,現時点で公開されている最新の2012年調査のデータをもとに,正社員の副業実施率を出してみましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200532&result_page=1
同年10月時点の全国の正規職員は3311万400人で,うち何らかの副業がある者は59万6300人です。よって,副業実施率は1.8%と算出されます。およそ55人に1人です。
副業といっても農業が多いですので,原資料では「非農林業」の副業がある者の数値も出ています。こちらは36万3200人で,正社員あたりの割合は1.1%となります。
うーん,いかにも少ない印象ですが,年齢層別の数値を出すと,以下のようになります。
年齢が上がるほど高くなっていきます。40代後半以降になると2%を超えますが,定年後に備える人も出てくるのでしょう。
60代になると4%以上になりますが,定年後の再雇用(雇用延長)となると,勤務時間が短くなるので,副業もしやすくなるでしょう。お給料も減らされるので,+αの稼ぎを得ないとやっていけない,というのもあろうかと思います。
都道府県別の副業実施率も計算することができます。働き盛りのアラフォー年代(35~44歳)の正規職員のうち,副業をしている者,農林業以外の副業をしている者の比率を出してみました。以下は,その一覧です。
赤字は最高値で,副業実施率2%以上,農林業以外の副業実施率1%以上の数値には黄色マークをつけました。
トータルの副業実施率が最も高いのは秋田の2.8%で,青森,山形と,東北県が上位3位を占めています。地方県で高くなっていますが,多くは農業でしょう。
農林業以外の副業率をみると,順位構造がかなり変わり,東京のような大都市も上位に入ってきます。ネットの副業でしょうね。トップは沖縄ですが,当地の副業として,現地の魅力をブログで発信する,特産品をネット販売するなどがあるそうです。
しかし,今から6年前のデータとはいえ,わが国の正社員の副業実施率がこうも低いことに驚きを禁じ得ません。「副業解禁とはどの口が言った?」という感じです。2017年の調査データでは,値は上がっているかもしれませんが。
先日公表したニューズウィーク記事でも書きましたが,高齢期の主な働き方はフリーランスです。組織を離れた後は自分で稼ぐ,実に分かりやすい構図です。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9699.php
人生100年の時代,定年後を引退期として過ごすのは経済的にも心理的にも不可能ですが,会社にぶら下がりっぱなしで,自分で稼ぐ術を知らぬ人は,後々苦労することになるでしょう。副業をし,どこででも通用する汎用性あるスキルを身に付けておきたいものです。
しかるに,今回のデータをみて希望を持った人もおられると思います。逆をとれば,ちょっとした副業をすれば「100人に1人の逸材になれる」と。思い立ったが吉。そこで即実行に移し,継続できる人に対しては,人生は甘いもの。行動あるのみです。
https://twitter.com/badassceo/status/941959272467906560
2018年3月6日火曜日
郷里に帰らなくなる若者?
都会に出た若者の何%がUターンするか? 地方創生が言われる中,誰もが関心を持ってい問いだと思うのですが,これに答えてくれるデータが見当たりません。
何とか捻り出せないものか。『国勢調査』の人口移動統計を丹念にサーチし,県別のUターン率を試算する方法を思いついたのですが,分子に外国人が入ってしまうことに気づき,これも断念。
https://twitter.com/tmaita77/status/970625185169645568
年齢別の県間移動者数は,人口総数のもので,日本人に限定した数値が得られません。惜しい,あと一歩なのに…。外国人が入るのを承知で率を出す手もありますが,若年層では外国人は結構な数になりますので,県によってはおかしな数値が出ちゃいます。
しかるに,Uターン率とは違いますが,出て行った若者がどれほど戻ってくるか(こなくなるか)をうかがい知る,簡便な方法があります。高校卒業時の大移動が起きる前の人口と,大学卒業後の人口を対比することです。
そうですねえ。15歳人口と,10年後の25歳人口を照合してみましょうか。私より1つ上の1975年生まれ世代だと,1990年に15歳(A),2000年に25歳(B)となります。私の郷里の鹿児島でいうと,Aは2万7603人,Bは2万146人です(日本人に限る)。差し引き7457人の減。やはり減りますね。
BをAで割ると0.73であり,進学や就職による県外流出で,同世代の人口が3割近く減ったことが知られます。大学等を出た後に戻ってくる人が多ければ事態はもっとマシなのでしょうが,厳しい現実が見えてきます。
これは鹿児島の75年生まれ世代のケースですが,より最近の世代では如何。最新の『国勢調査』は2015年のものですが,この年に25歳になるのは1990年生まれ世代なので,この世代を取り上げましょう。当該世代の場合,2005年の15歳と2015年の25歳を比べます。
以下に掲げるのは,両世代の東京・鹿児島のケースです。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
鹿児島の「25歳/15歳」比は,75年生まれ世代では0.73ですが,90年生まれ世代では0.63に下がっています。
最近の世代のほうが,ダメージが大きいですね。ア)出ていく人の増加,イ)帰ってくる人の減少,という2要素のどっちが強まっているかは分かりませんが,事態が深刻化している様が見て取れます。
対して東京はというと,こちらは大学等進学時と就職時に若者がドカッと入ってきますので,15歳に比して25歳人口は大きく膨れ上がりますが,最近の世代ほどその度合いが強まっています。90年生まれでは,1.6倍の増です。
こちらも,ア)地方から出てくる人の増加,イ)帰っていく人の減少,の2要素に分けられますが,大都会の吸引力が増しているのは確かなようです。
地方創生とは逆の方向に動いているようですが,他県はどうでしょう。47都道府県について,同じやり方で,2つの世代の「25歳/15歳」比をとってみました。
赤字は1.0を超える県,つまり15歳時より25歳時の人口が増えている県ですが,当然,大都市に限られます。90年生まれ世代でいうと,首都圏の1都3県,愛知,京都,大阪です。
東北の中枢の宮城は,75年生まれ世代では1.0を超えてましたが,90年生まれ世代では,他の地方県と同じく,減少タイプになっています。2011年の大震災の影響もあるかもしれません。中国・九州の中枢の広島・福岡も,進学・就職の移動で人口が減る型なのですね。
注目すべきは2つの世代の違いですが,比が上がっているのは7県だけで,残りの40県では下がっています。変化の絶対値が0.1を超える県には不等号をつけましたが,宮城以外の東北県,山梨,長野,高知,鹿児島では,状況の深刻化が大きいことがうかがわれます。
逆に比を大きく伸ばしているのは東京だけ。ひとり勝ち常態の進行でしょうか。
同一世代の15歳と25歳の人口量を比べただけですので,出ていく人の増加,戻ってくる人の減少の影響を仕分けできませんが,後者の影響も侮れません。都会に出た若者が戻ってこない傾向が強まっているのではないかと。
75年生まれ世代は,世紀の変わり目の氷河期に大学を出た真正のロスジェネですので,都会での就職が叶わず,実家にパラサイトすべくUターンした人が多かったのかもしれませんが…。
都市での若者の増加,地方での減少をもたらすのは,進学と就職という2時点における人口移動(mobility)です。これを抑えるためになされているのは,①安価な公立大学設置,②都内23区の私大定員抑制,③地元に帰ってくることを条件にした奨学金,④地元就職者の奨学金返済支援,⑤上京者に対するキャリア教育,というものです。
①と②は流出抑制,③~⑤は還流促進に関わります。私としては,18歳時の移動抑制よりも,都会に出た若者のUターン促進に力点を置くべきかと思います。
大学の原初形態は,教わりたい教師のもとに若者が積極的に移動し,各地に学びの共同体ができたことですので。移動とはすなわち文化交流で,これを抑えるのではなく,都会で学んだことを,郷里の発展に活かすよう仕向けるべきかと思います。
そのための施策として③~⑤があるのですが,奨学金をエサに若者の人生を管理・統制するのはいただけませんが,当面は,こういう強硬策もやむを得ないでしょう。それと,郷里への愛着を高める「郷土教育」の充実を,幼少期より図りたいもの。育むべきは,「ムラを捨てる学力」ではなく,「ムラを育てる学力」です。
何とか捻り出せないものか。『国勢調査』の人口移動統計を丹念にサーチし,県別のUターン率を試算する方法を思いついたのですが,分子に外国人が入ってしまうことに気づき,これも断念。
https://twitter.com/tmaita77/status/970625185169645568
年齢別の県間移動者数は,人口総数のもので,日本人に限定した数値が得られません。惜しい,あと一歩なのに…。外国人が入るのを承知で率を出す手もありますが,若年層では外国人は結構な数になりますので,県によってはおかしな数値が出ちゃいます。
しかるに,Uターン率とは違いますが,出て行った若者がどれほど戻ってくるか(こなくなるか)をうかがい知る,簡便な方法があります。高校卒業時の大移動が起きる前の人口と,大学卒業後の人口を対比することです。
そうですねえ。15歳人口と,10年後の25歳人口を照合してみましょうか。私より1つ上の1975年生まれ世代だと,1990年に15歳(A),2000年に25歳(B)となります。私の郷里の鹿児島でいうと,Aは2万7603人,Bは2万146人です(日本人に限る)。差し引き7457人の減。やはり減りますね。
BをAで割ると0.73であり,進学や就職による県外流出で,同世代の人口が3割近く減ったことが知られます。大学等を出た後に戻ってくる人が多ければ事態はもっとマシなのでしょうが,厳しい現実が見えてきます。
これは鹿児島の75年生まれ世代のケースですが,より最近の世代では如何。最新の『国勢調査』は2015年のものですが,この年に25歳になるのは1990年生まれ世代なので,この世代を取り上げましょう。当該世代の場合,2005年の15歳と2015年の25歳を比べます。
以下に掲げるのは,両世代の東京・鹿児島のケースです。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200521&result_page=1
鹿児島の「25歳/15歳」比は,75年生まれ世代では0.73ですが,90年生まれ世代では0.63に下がっています。
最近の世代のほうが,ダメージが大きいですね。ア)出ていく人の増加,イ)帰ってくる人の減少,という2要素のどっちが強まっているかは分かりませんが,事態が深刻化している様が見て取れます。
対して東京はというと,こちらは大学等進学時と就職時に若者がドカッと入ってきますので,15歳に比して25歳人口は大きく膨れ上がりますが,最近の世代ほどその度合いが強まっています。90年生まれでは,1.6倍の増です。
こちらも,ア)地方から出てくる人の増加,イ)帰っていく人の減少,の2要素に分けられますが,大都会の吸引力が増しているのは確かなようです。
地方創生とは逆の方向に動いているようですが,他県はどうでしょう。47都道府県について,同じやり方で,2つの世代の「25歳/15歳」比をとってみました。
赤字は1.0を超える県,つまり15歳時より25歳時の人口が増えている県ですが,当然,大都市に限られます。90年生まれ世代でいうと,首都圏の1都3県,愛知,京都,大阪です。
東北の中枢の宮城は,75年生まれ世代では1.0を超えてましたが,90年生まれ世代では,他の地方県と同じく,減少タイプになっています。2011年の大震災の影響もあるかもしれません。中国・九州の中枢の広島・福岡も,進学・就職の移動で人口が減る型なのですね。
注目すべきは2つの世代の違いですが,比が上がっているのは7県だけで,残りの40県では下がっています。変化の絶対値が0.1を超える県には不等号をつけましたが,宮城以外の東北県,山梨,長野,高知,鹿児島では,状況の深刻化が大きいことがうかがわれます。
逆に比を大きく伸ばしているのは東京だけ。ひとり勝ち常態の進行でしょうか。
同一世代の15歳と25歳の人口量を比べただけですので,出ていく人の増加,戻ってくる人の減少の影響を仕分けできませんが,後者の影響も侮れません。都会に出た若者が戻ってこない傾向が強まっているのではないかと。
75年生まれ世代は,世紀の変わり目の氷河期に大学を出た真正のロスジェネですので,都会での就職が叶わず,実家にパラサイトすべくUターンした人が多かったのかもしれませんが…。
都市での若者の増加,地方での減少をもたらすのは,進学と就職という2時点における人口移動(mobility)です。これを抑えるためになされているのは,①安価な公立大学設置,②都内23区の私大定員抑制,③地元に帰ってくることを条件にした奨学金,④地元就職者の奨学金返済支援,⑤上京者に対するキャリア教育,というものです。
①と②は流出抑制,③~⑤は還流促進に関わります。私としては,18歳時の移動抑制よりも,都会に出た若者のUターン促進に力点を置くべきかと思います。
大学の原初形態は,教わりたい教師のもとに若者が積極的に移動し,各地に学びの共同体ができたことですので。移動とはすなわち文化交流で,これを抑えるのではなく,都会で学んだことを,郷里の発展に活かすよう仕向けるべきかと思います。
そのための施策として③~⑤があるのですが,奨学金をエサに若者の人生を管理・統制するのはいただけませんが,当面は,こういう強硬策もやむを得ないでしょう。それと,郷里への愛着を高める「郷土教育」の充実を,幼少期より図りたいもの。育むべきは,「ムラを捨てる学力」ではなく,「ムラを育てる学力」です。
2018年3月4日日曜日
公務員の年収の正規・非正規格差
正規と非正規の格差是正を命じる判決が相次いでいるそうです。
https://www.bengo4.com/c_5/n_7509/
正規と非正規の格差がとびきり大きいのは「官」の世界,すなわち公務員でしょう。アラフォー公務員男女を正規と非正規に分け,ラフな年収分布を描くと,下図のようになります。産業大分類が「公務」に含まれる者で,警察官や教員等は含まれません。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200532&result_page=1
正規は年収500万以上が最多ですが,非正規は年収200万未満がほとんどです。とりわけ女性は悲惨で,年収200万に満たないワーキングプアが8割を超えています。「官製ワーキングプア」という言葉がありますが,その量がとても多いことが知られます。
これは全国のデータですが,差がどれほどかは県によって違っています。各県の関係者の参考に資するため,公務員の年収の正規・非正規格差を都道府県別に明らかにしてました。差が大きい女性に注目します。
下の表は,女性公務員の正規・非正規の年収分布です(全国)。年収階層区分は,原資料によります。
正規職員36万2800人,非正規職員22万6100人の年収分布です。女性公務員の約4割が非正規なのですね。
それはさておき分布をみると,正規の最頻階級は400万円台,非正規は100万円台前半となっています。これだけでも差が大きいのは明らかですが,中央値を出してみましょう。累積%から,中央値は黄色マークの階級に含まれることが分かります。
按分比例の考えを使って,正規と非正規の中央値は,以下のようにして出されます。
正規=400+{100×((50-36.6)/(56.4-36.6))}=467.6万円
非正規=100+{50×((50-37.1)/(64.4-37.1))}=123.6万円
正規は468万円,非正規は124万円なり。3.8倍の格差です。同じ公務員ですが,この格差はスゴイ。やっている仕事や就業時間の違いもあるでしょうが,「同一労働・同一賃金」の原則が徹底された場合の理想型から,大きく隔たっているといえるでしょう。
上述のように,女性公務員の4割は非正規です。ここまで非正規依存率が高いにもかかわらず,ここまでの正規・非正規差があるとは…。
非正規依存率4割,正規・非正規の年収中央値の格差3.8倍。これは全国の女性公務員の状況ですが,同じデータを都道府県別に出してみました。
黄色マークは,「正規/非正規」の年収倍率が4倍以上,女性公務員の非正規率が4割以上の数値です。
黄色マークが2つ付いている県は,埼玉,神奈川,愛知,福岡,長崎,熊本,鹿児島,となっています。正規・非正規の年収格差が大きく,かつ非正規依存率が高い県です。
とりわけ埼玉と福岡は,状況の点検が求められるでしょう。非正規が半分以上にもかかわらず,正規との差が4.3倍も開いている,郷里・鹿児島も要注意かな。
「同一労働・同一賃金」「正規・非正規の格差撤廃」がトレンドになっていますが,全産業の模範となるべき「官」,公務員の世界がこれでは,示しがつきますまい。
https://www.bengo4.com/c_5/n_7509/
正規と非正規の格差がとびきり大きいのは「官」の世界,すなわち公務員でしょう。アラフォー公務員男女を正規と非正規に分け,ラフな年収分布を描くと,下図のようになります。産業大分類が「公務」に含まれる者で,警察官や教員等は含まれません。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00200532&result_page=1
正規は年収500万以上が最多ですが,非正規は年収200万未満がほとんどです。とりわけ女性は悲惨で,年収200万に満たないワーキングプアが8割を超えています。「官製ワーキングプア」という言葉がありますが,その量がとても多いことが知られます。
これは全国のデータですが,差がどれほどかは県によって違っています。各県の関係者の参考に資するため,公務員の年収の正規・非正規格差を都道府県別に明らかにしてました。差が大きい女性に注目します。
下の表は,女性公務員の正規・非正規の年収分布です(全国)。年収階層区分は,原資料によります。
正規職員36万2800人,非正規職員22万6100人の年収分布です。女性公務員の約4割が非正規なのですね。
それはさておき分布をみると,正規の最頻階級は400万円台,非正規は100万円台前半となっています。これだけでも差が大きいのは明らかですが,中央値を出してみましょう。累積%から,中央値は黄色マークの階級に含まれることが分かります。
按分比例の考えを使って,正規と非正規の中央値は,以下のようにして出されます。
正規=400+{100×((50-36.6)/(56.4-36.6))}=467.6万円
非正規=100+{50×((50-37.1)/(64.4-37.1))}=123.6万円
正規は468万円,非正規は124万円なり。3.8倍の格差です。同じ公務員ですが,この格差はスゴイ。やっている仕事や就業時間の違いもあるでしょうが,「同一労働・同一賃金」の原則が徹底された場合の理想型から,大きく隔たっているといえるでしょう。
上述のように,女性公務員の4割は非正規です。ここまで非正規依存率が高いにもかかわらず,ここまでの正規・非正規差があるとは…。
非正規依存率4割,正規・非正規の年収中央値の格差3.8倍。これは全国の女性公務員の状況ですが,同じデータを都道府県別に出してみました。
黄色マークは,「正規/非正規」の年収倍率が4倍以上,女性公務員の非正規率が4割以上の数値です。
黄色マークが2つ付いている県は,埼玉,神奈川,愛知,福岡,長崎,熊本,鹿児島,となっています。正規・非正規の年収格差が大きく,かつ非正規依存率が高い県です。
とりわけ埼玉と福岡は,状況の点検が求められるでしょう。非正規が半分以上にもかかわらず,正規との差が4.3倍も開いている,郷里・鹿児島も要注意かな。
「同一労働・同一賃金」「正規・非正規の格差撤廃」がトレンドになっていますが,全産業の模範となるべき「官」,公務員の世界がこれでは,示しがつきますまい。
2018年3月1日木曜日
2018年2月の教員不祥事報道
昨日で2月は終わりでしたね。月末の教員不祥事報道整理をするのを忘れてましたので,今日やります。
先月,私がネット上でキャッチした不祥事報道は40件ジャストです。わいせつが多いのはいつものことですが,女子生徒ではなく,同僚の女性教員が被害者であるケースが見受けられます。
無免許授業の数件。静岡の私立高校で,公民の教諭が無免許で地理も授業もやっていた事案。社会は多そうですねえ。「社会の授業なんて誰だってできる」。社会科教員は低く見られる傾向があり。私は副免で中高の社会の免許を取りましたが,公民科教育法の授業で教授が「社会なんてなり手がいくらでもいるから採用ねえよ」と,受講生をバカにしていました。
私が中1のとき,体育教師が社会の授業もしていました(臨時免許付与による)。「俺免許ないけど,許してくれや」と断ってましたが,酷い授業でした。教科書の黒字を黒板に書きだし,「これ覚えとけ」みたいな授業…。
人手不足の波が学校にも及び,免許外授業が増えているそうですが,これでは生徒が可哀想です。高学歴社会では,高度な専門知識をもった人材は地域に数多くいます。こういう人たちに臨時免許状を付与し,教壇に立って貰ってもいいでしょう。戦後初期の教員不足の時代は,こうやって凌いでいたのですから。
http://tmaita77.blogspot.jp/2017/07/blog-post_13.html
暦の上では春です。今日は気温が上がりましたね。春一番も吹き荒れました。早いもので,横須賀に越してきてから1年が経とうとしています。
<2018年2月の教員不祥事報道>
・教え子とみだらな行為、高校教諭を免職 別の生徒から発覚
(2/1,北海道新聞,北海道,高,男,23)
・セクハラで顧問教諭出勤停止 聖カタリナ高、陸上部女子部員に
(2/1,産経,愛媛,高,男)
・殴られた生徒「体罰だ」…男性教諭、さらに殴る
(2/2,読売,神奈川,高,男,56)
・中学校教頭を酒気帯び運転の疑いで逮捕(2/4,朝日,福岡,中,男,63)
・酔って暴行した疑い 県立高校教諭を現行犯逮捕
(2/5,KSB,香川,高,男,28)
・市立小教諭を逮捕=中学生にわいせつ容疑―京都府警
(2/5,時事通信,京都,小,男,46)
・女子高生買春疑いで高校教諭逮捕(2/6,サンスポ,沖縄,高,男,29)
・高1に淫行疑い中学講師逮捕 ネット介して知り合う
(2/6,京都新聞,群馬,中,男,27)
・校内で児童盗撮の罪 教諭を起訴(2/7,NHK,北海道,小,男,32)
・高校で無免許勤務の疑い 「熱心に指導していた」女を逮捕
(2/7,サンスポ,茨城,高,女,67)
・中学教諭夫妻ら保険金だまし取る 容疑で在宅起訴
(2/8,神戸新聞,兵庫,中,男34,女33)
・教諭が体罰、停職6カ月 児童9人に繰り返す
(2/9,毎日,愛知,小,男,43)
・男性教諭を懲戒免職 高校生になりすまし、性的メッセージ送信
(2/9,産経,大阪,高,男,26)
・生徒と交際、キスや体触る 高校教諭を停職処分
(2/9,京都新聞,愛知,高,男,26)
・電車内で女性の体触る 大阪市立中教諭の男を逮捕
(2/10,大阪,産経,中,男,60)
・顔蹴った教諭を書類送検 児童は骨折、傷害の疑い
(2/13,西日本新聞,福岡,小,男,20代)
・“盗撮”で逮捕 講師を懲戒免職(2/14,NHK,千葉,小,男,25)
・姫路の小学校教頭が不正流用か 数十万円の使途不明領収書
(2/14,神戸新聞,兵庫,小,男,50代)
・通りすがりの女性に抱きついた疑い、小学校教諭を逮捕
(2/14,朝日,愛知,小,男,25)
・児童に不適切言動で停職3カ月 県内男性小学校教諭
(2/14,岩手日報,岩手,小,男,20代)
・女子トイレを盗撮容疑、小学校の講師を逮捕(2/15,朝日,奈良,小,男,34)
・忘年会で「覚えていない」 校長が男性教師に暴行か
(2/15,テレ朝,大分,中,男,60)
・教諭が部活で体罰、中学生骨折 胸ぐらつかんで倒し平手打ち
(2/17,京都新聞,福岡,中,男,56)
・「アホ、ボケ」暴言浴びせ足で尻押す 中学部活で顧問教諭
(2/20,神戸新聞,兵庫,中,男,37)
・無断で元交際相手の位置閲覧アプリ 容疑で高校教諭逮捕
(2/20,京都新聞,徳島,高,男,48)
・13歳とみだらな行為、小学校講師に停職処分(2/20,朝日,愛知,小,男,25)
・傷害容疑の教諭を書類送検へ 小3児童、鎖骨折れ重傷
(2/21,朝日,福岡,小,男)
・担任「いじめ見て見ぬふり」2年間不登校に(2/21,日テレ,神奈川,小,女)
・<わいせつ行為>女子中学生被害、千葉の26歳教諭逮捕
(2/21,毎日,千葉,中,男,26)
・窃盗容疑で高校教諭逮捕 受賞歴多数の書道部顧問
(2/21,産経,神奈川,高,男,61)
・LINEで女児に裸の画像送らせた疑い 小学教諭を逮捕
(2/22,朝日,広島,小,男,34)
・セクハラで高校教諭を停職処分(2/23,NHK,高知,高,男,50代)
・公民教諭が無免許で地理授業…県教委の許可なし (2/24,読売,静岡,高)
・窃盗で小学校女性教諭を処分 更衣室で3万円盗む
(2/24,京都新聞,石川,小,女,37)
・53歳教諭、レンタルルームからテレビ、電気ケトル盗む
(2/26,産経,東京,小,男,53)
・京都の小学校教諭を再逮捕 少女を強姦容疑(2/26,産経,京都,小,男,46)
・戒告:都教委、区立小教諭を テスト1697枚返却せず
(2/27,毎日,東京,小,男,36)
・教頭がパチンコ店でICチップ盗む 愛媛のパチンコ店
(2/27,産経,愛知,小,男)
・中学校の教諭が女子トイレのスリッパ隠す 「指導の一環で行った」
(2/28,読売,京都,中,女,55)
・20代女性教諭に抱きつく 男性教諭を懲戒処分(2/28,産経,大阪,中,男,36)
先月,私がネット上でキャッチした不祥事報道は40件ジャストです。わいせつが多いのはいつものことですが,女子生徒ではなく,同僚の女性教員が被害者であるケースが見受けられます。
無免許授業の数件。静岡の私立高校で,公民の教諭が無免許で地理も授業もやっていた事案。社会は多そうですねえ。「社会の授業なんて誰だってできる」。社会科教員は低く見られる傾向があり。私は副免で中高の社会の免許を取りましたが,公民科教育法の授業で教授が「社会なんてなり手がいくらでもいるから採用ねえよ」と,受講生をバカにしていました。
私が中1のとき,体育教師が社会の授業もしていました(臨時免許付与による)。「俺免許ないけど,許してくれや」と断ってましたが,酷い授業でした。教科書の黒字を黒板に書きだし,「これ覚えとけ」みたいな授業…。
人手不足の波が学校にも及び,免許外授業が増えているそうですが,これでは生徒が可哀想です。高学歴社会では,高度な専門知識をもった人材は地域に数多くいます。こういう人たちに臨時免許状を付与し,教壇に立って貰ってもいいでしょう。戦後初期の教員不足の時代は,こうやって凌いでいたのですから。
http://tmaita77.blogspot.jp/2017/07/blog-post_13.html
暦の上では春です。今日は気温が上がりましたね。春一番も吹き荒れました。早いもので,横須賀に越してきてから1年が経とうとしています。
<2018年2月の教員不祥事報道>
・教え子とみだらな行為、高校教諭を免職 別の生徒から発覚
(2/1,北海道新聞,北海道,高,男,23)
・セクハラで顧問教諭出勤停止 聖カタリナ高、陸上部女子部員に
(2/1,産経,愛媛,高,男)
・殴られた生徒「体罰だ」…男性教諭、さらに殴る
(2/2,読売,神奈川,高,男,56)
・中学校教頭を酒気帯び運転の疑いで逮捕(2/4,朝日,福岡,中,男,63)
・酔って暴行した疑い 県立高校教諭を現行犯逮捕
(2/5,KSB,香川,高,男,28)
・市立小教諭を逮捕=中学生にわいせつ容疑―京都府警
(2/5,時事通信,京都,小,男,46)
・女子高生買春疑いで高校教諭逮捕(2/6,サンスポ,沖縄,高,男,29)
・高1に淫行疑い中学講師逮捕 ネット介して知り合う
(2/6,京都新聞,群馬,中,男,27)
・校内で児童盗撮の罪 教諭を起訴(2/7,NHK,北海道,小,男,32)
・高校で無免許勤務の疑い 「熱心に指導していた」女を逮捕
(2/7,サンスポ,茨城,高,女,67)
・中学教諭夫妻ら保険金だまし取る 容疑で在宅起訴
(2/8,神戸新聞,兵庫,中,男34,女33)
・教諭が体罰、停職6カ月 児童9人に繰り返す
(2/9,毎日,愛知,小,男,43)
・男性教諭を懲戒免職 高校生になりすまし、性的メッセージ送信
(2/9,産経,大阪,高,男,26)
・生徒と交際、キスや体触る 高校教諭を停職処分
(2/9,京都新聞,愛知,高,男,26)
・電車内で女性の体触る 大阪市立中教諭の男を逮捕
(2/10,大阪,産経,中,男,60)
・顔蹴った教諭を書類送検 児童は骨折、傷害の疑い
(2/13,西日本新聞,福岡,小,男,20代)
・“盗撮”で逮捕 講師を懲戒免職(2/14,NHK,千葉,小,男,25)
・姫路の小学校教頭が不正流用か 数十万円の使途不明領収書
(2/14,神戸新聞,兵庫,小,男,50代)
・通りすがりの女性に抱きついた疑い、小学校教諭を逮捕
(2/14,朝日,愛知,小,男,25)
・児童に不適切言動で停職3カ月 県内男性小学校教諭
(2/14,岩手日報,岩手,小,男,20代)
・女子トイレを盗撮容疑、小学校の講師を逮捕(2/15,朝日,奈良,小,男,34)
・忘年会で「覚えていない」 校長が男性教師に暴行か
(2/15,テレ朝,大分,中,男,60)
・教諭が部活で体罰、中学生骨折 胸ぐらつかんで倒し平手打ち
(2/17,京都新聞,福岡,中,男,56)
・「アホ、ボケ」暴言浴びせ足で尻押す 中学部活で顧問教諭
(2/20,神戸新聞,兵庫,中,男,37)
・無断で元交際相手の位置閲覧アプリ 容疑で高校教諭逮捕
(2/20,京都新聞,徳島,高,男,48)
・13歳とみだらな行為、小学校講師に停職処分(2/20,朝日,愛知,小,男,25)
・傷害容疑の教諭を書類送検へ 小3児童、鎖骨折れ重傷
(2/21,朝日,福岡,小,男)
・担任「いじめ見て見ぬふり」2年間不登校に(2/21,日テレ,神奈川,小,女)
・<わいせつ行為>女子中学生被害、千葉の26歳教諭逮捕
(2/21,毎日,千葉,中,男,26)
・窃盗容疑で高校教諭逮捕 受賞歴多数の書道部顧問
(2/21,産経,神奈川,高,男,61)
・LINEで女児に裸の画像送らせた疑い 小学教諭を逮捕
(2/22,朝日,広島,小,男,34)
・セクハラで高校教諭を停職処分(2/23,NHK,高知,高,男,50代)
・公民教諭が無免許で地理授業…県教委の許可なし (2/24,読売,静岡,高)
・窃盗で小学校女性教諭を処分 更衣室で3万円盗む
(2/24,京都新聞,石川,小,女,37)
・53歳教諭、レンタルルームからテレビ、電気ケトル盗む
(2/26,産経,東京,小,男,53)
・京都の小学校教諭を再逮捕 少女を強姦容疑(2/26,産経,京都,小,男,46)
・戒告:都教委、区立小教諭を テスト1697枚返却せず
(2/27,毎日,東京,小,男,36)
・教頭がパチンコ店でICチップ盗む 愛媛のパチンコ店
(2/27,産経,愛知,小,男)
・中学校の教諭が女子トイレのスリッパ隠す 「指導の一環で行った」
(2/28,読売,京都,中,女,55)
・20代女性教諭に抱きつく 男性教諭を懲戒処分(2/28,産経,大阪,中,男,36)
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