さて,2018年の総括です。今年は,取り立てて特記することはありません。普通に過ごせたというのでもなく,低空飛行の年だったと思います。A~Cの3段階評価をするなら,紛れもなくCですね。だらけた暮らしをしてしまいました。
ワンコにのめり込んでいることもありますが,体力の低下も感じています。「40代の体力低下は下り坂ではなく落下」という比喩がありますが,その通りだと思います。40過ぎたくらいの若造が何をぬかすか,と言われるでしょうが,正直,こんな思いです。
師匠の松本良夫先生は1935年のお生まれで,70年代後半にアラフォーであられたのですが,業績目録を拝見すると,バリバリと仕事をされています。ピークは80年代の半ば,アラフィフの頃で,『図説・非行問題の社会学』『学校の社会学』『作文アンケート・学校体験』など,単著を集中的に生産されています。私も,奮起したいものです。まあ,そのうち上昇気流に乗れると楽観もしています。
自虐めいたことを書きましたが,新しいことがなかったわけではありません。4月から,公益財団法人・日本女性学習財団の機関紙『We Learn』にて,「データをジェンダーの視点で読み解く」という連載をもたせていただいています。先日,村松泰子理事長と担当編集者の方にお会いしたのですが,思いのほか好評であるとのこと。うれしく思います。
日本教育新聞の連載も200回を越えました。全国の学校や教育委員会が定期購読している,わが国唯一の教育専門紙です。最初は後ろのほうだったのですが,現在は3面に載せていただいています。「日本教育新聞の記事を見て…」という問い合わせが来ることも多し。ありがたや。
Webでは,ニューズウィーク日本版の連載がもうすぐ100回に達します。CCCメディアハウス社が運営する,知名度の高いメディアです。日経DUALのほうは,今年12月で終了しました(計64回)。「舞田のことだから,また揉め事を起こしたんだろう」と思われるかもしれませんが,さにあらず。方針転換のため連載終了という予告は,だいぶ前にされていました。ささやかな慰労の会合もしてくださり,笑顔でのお別れです。今後はさらにバージョンアップされるとのこと,私も陰ながら応援しています。
実務教育出版の教員採用試験対策本の執筆も続けております。『教職教養らくらくマスター』は同社の看板商品の一つになっているそうで,業界でも売れ筋本として通っています。紀伊国屋でも最前列に平積みされていて,いとうれし。今後もさらに練り上げ,最強の対策本に仕立てていきます。
私はこのように,「書く」ことを仕事にしており,自分を文筆家と意識するようになってきました。自分の勉強にもなって,おカネもいただけてありがたいです。元ネタは,ツイッターやブログで発信しているデータやグラフであり,好きなことを仕事にしているとも言えます。学者としての正道からは外れていますが,好き勝手,気の向くまま,いい暮らしをさせてもらっているなあと思います。
よくあることですが,今年も作品盗用(剽窃)の被害に遭いました。先月下旬のことで,ブログに経緯を書き,ツイッターでも拡散しましたので,ご存知の方が多いでしょう。当人の謝罪と和解金の支払いで許しましたが,この人も,弁護士費用と決して少額ではない和解金を払うハメになり,さぞ懲りたと思います。深く反省し,二度と同じことを繰り返すなかれ。
本件は匿名の情報提供(メール)で発覚したのですが,この手の情報を寄せてくださった方には薄謝をお支払いします。匿名で結構ですので,tmaita77[at]gmail.com までメールくださいませ。
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ブログについてもまとめましょう。本ブログ「データえっせい」は2010年末に開設し,8年が過ぎました。これまで書いた記事総数は,本記事を合わせて1492本です。この中で読まれている記事はどれか。PVの上位10の記事は以下です。PV数は,本日の夕刻5時半頃の数値です。
トップは,今年の7月14日に書いた「40代前半男性の所得中央値」です。2017年の『就業構造基本調査』のデータをもとに書いた記事ですが,これは読まれました。アラフォー男子の稼ぎが四半世紀でこんなに減っているのか,と印象付けるのに十分だったようです。
言わずもがなロスジェネの影響なんですが,私がこの世代の当事者であることも伝わったのでしょうね。私は1976年生まれで,99年に大学を卒業した「真正ロスジェネ」です。これからも自身の体験(思い)を投影した記事を溜め,将来的にはロスジェネのデータ本を仕立てられたらと目論んでいます。未だにない試みです。
黄色マークは今年に書いた記事ですが,1月6日の「女性の最貧国」も殿堂入りできました。殿堂入りした記事の本数でその年のガンバリ度が可視化されるのですが,一昨年や昨年がゼロだったことに比すと,よかったと思います。
都道府県別の大学進学率は,『学校基本調査』のデータが公表されるたびに,毎年明らかにしていこうと思います。私の博士論文以来のテーマですのでね。亡き恩師・陣内靖彦先生のお顔が浮かびます…。
来年(2019年)はどういう年になるでしょう。国としては元号が変わる一大事なんですが,私個人としてはどうかな。ダックスフントを飼いたい,という思いに駆られており,転居する可能性がなきにあらず。気持ちとしては,この横須賀市長井という地を離れたくないのです。
ソレイユの丘の海に面した露天風呂,長井水産の美味しい魚料理,名物母ちゃんとの会話,海辺のウォーキング…。いずれも捨てがたし。しかし,この辺にペット可の手ごろ物件がないのですねえ。一戸建ての賃貸があるにはあるのですが,家賃7万円は今の私には重い。家賃保証会社の審査も通らないでしょう。
著名編集者の箕輪厚介さんは,駆け出しの頃は埼玉に住んでいたが,これではいい仕事はできないと,月収の3分の2以上のマンションを都心で借りたそうです(『死ぬこと以外かすり傷』マガジンハウス)。そのように自分を追い詰めたことが,大ブレイクするきっかけになったとのこと。私も,こういう「賭け」に出るのもありかな。そしたら,最近のたるんだ生活も一気に引き締まるでしょうし。ブログをマネタイズする,「有料note」を始めるなど,稼ぎを増やす術はあります。
デカイことを書いて実現できなかったらみっともないので,これくらいにしましょう。皆さま,よいお年をお迎えください。来年も,私のブログ・ツイッターのデータ発信,各種連載を続けて参ります。よろしくお願い申し上げます。
2018年大晦日
舞田 敏彦