2014年10月9日木曜日

幼子がいる共働き夫婦の1日

 9月28日の記事では,共働き夫婦の夫の家事・育児分担率をみたのですが,今回は,夫・妻双方の1日を拝見といきましょう。

 総務省『社会生活基本調査』には,15分刻みの時間帯別の生活行動分布が掲げられています。たとえば,8:00~8:15の間に,家事をしている者が何%,食事をしている者が何%・・・というようなデータです。
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm

 私は最新の2011年度調査のデータを使って,6歳未満の子がいる共働き夫婦の1日を描いてみました。原資料では20の行動カテゴリーが設けられていますが,これをグラフにすると煩雑なので,①睡眠,②仕事,③家事,④育児,⑤その他,という5つにまとめました。

 幼子がいる共働きの夫妻ですが,時間帯ごとの行動分布図はどういうものでしょう。とくに③と④のジェンダー差に興味が持たれます。以下に,「性別×曜日」の6つの図を展示します。


 共働きの夫婦の図ですが,夫は仕事,妻は家事・育児の領分が大きいですね。平均時間のみならず1日の行動分布からも,役割のジェンダー分化が見受けられます。

 男性にしても,土日は家事・育児のシェアがもっと大きくなるかと踏んでいましたが,そうでもないのだな。平日に比して増えているのは「その他」ですが,疲れてゴロ寝だけというのは何とも寂しい。

 共働き夫婦の多くは,「夫正社員+妻非正規」というタイプでしょうが,双方とも正社員のデュアラーでみたら,図の模様は違うかもしれません。データはありませんが。

 芸術の秋ですが,いろいろな属性カテゴリーについて,上記のような1日の行動分布図を描いてみるのもいいですね。『社会生活基本調査』の原データをエクセルにコピペして,面グラフにするのは簡単です。大学生の1日,ニートの1日,高齢者の1日・・・。秋は学園祭のシーズンですが,ゼミの出し物としてもいいのではないでしょうか。

 秋も深くなってきました。季節の変わり目,体調を崩されませぬよう。