今回の主題は,離婚です。離婚とは,家族解体を表す典型現象ですが,昨今,DVや虐待など,家族内でのトラブルが頻発していることから,離婚の頻度が増しているものと思われます。実のところ,どうなのでしょうか。
私は,離婚率を計算しました。ここでいう離婚率とは,ある年のうちに,離婚を届け出た夫の数を,男性人口で除したものです(別に,妻の数を女性人口で除してもいいのですが)。私は今34歳ですが,2009年内に離婚を届け出た,30~34歳の夫は33003人だったそうです(厚労省『人口動態統計』)。この年の同年齢層の男性人口はおよそ436万人。よって,離婚率は前者を後者で除して,1万人あたり75.7人と計算されます。では,前回同様,松本良夫先生の「社会地図」方式で,男性の離婚率を表現してみましょう。
図をみると,離婚率が70を超えるブラックゾーンが,2000年以降の30代の部分に広がっています。現在,30代の危機がよくいわれますが,そのことを象徴しているように思えます。30代といえば,幼い子どもがいるケースも多いでしょう。単独親権制をとっているわが国では,片親から強制的に引き離された子どもが,各種の精神疾患を患うようなことも懸念されます。このような状況のなか,現在,共同親権制にしようという動きもあるようです。