2012年6月25日月曜日

大学別の教育分野の博士号授与件数

文科省『平成20年度博士・修士・専門職学位の学位授与状況』によると,2008年度間の博士号学位授与件数は16,735件だそうです。ほう,年間にこれだけの数の博士号が授与されているのですね。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigakuin/index.htm

 しかるに,このうちの多くは理系分野のものです。教育分野の博士号授与件数は234件であり,全体のたった1.4%です。教育分野の博士号には,博士(体育学)や博士(人間環境学)なども含まれますが,大半が博士(教育学)であるとみてよいでしょう。

 さて,この教育分野の博士号ですが,どの大学で多く出されているのでしょう。母校の東京学芸大学の位置は如何。興味を持ったので,上記の資料から必要な数字を採取し,一覧表をつくってみました。


 設置主体別にみると,国立大学が190件であり,全体の8割を占めます。教育分野の博士号の主な産出源は国立大学のようです。★印の旧帝大の総計は84件(36%)なり。

 大学別にみると,1位は広島大学(35件),2位は筑波大学(28件),3位は名古屋大学(23件),そして4位がわが母校・東京学芸大学(20件)です。学芸大は全国で4位,授与件数全体の8.5%を占めることが知られます。2008年度は20件か。私の時(2004年度)は17件だったかな。

 学芸大は院生の数が多くないので,ベースを考慮した学位授与率という点でみたら,もしかするとトップかも。この点に関する大学別の統一資料はないのですが,学芸大はホームページにて,修了者のうち,学位取得者が何人,退学者が何人という情報を公開しています。
http://www.u-gakugei.ac.jp/~graduate/rengou/data/shusyoku.html

 それによると,1998年度から2010年度までの修了生284人(中途退学者含む)のうち,学位取得者は188人とのこと。学位取得率は66.2%です。これはかなり高いのではないでしょうか。学芸大の博士課程に入れば,7割近くの確率で博士号がゲットできます。

 ついでに,これまでの学位取得者188人の現状をみておきましょう。学芸大は,修了生の状況を丹念にフォローし,彼らの現況に関する統計を作成しています(私のところにも,毎年,現況の申告を求める手紙がきます)。以下の表は,上記のホームページのデータから作成したものです。


 ほう。8割近くが大学教員,研究員,ないしは小中高教員といった定職に就いているではないですか。学位取得者の大学・短大ポストのゲット率は約6割。こちらも高いほうの部類に入るのではないかしらん。私は非常勤講師ですので,上表でいう30人(16%)の中の1人です。

 マクロな統計をみると,自分の立ち位置がよく分かります。私の場合,こういう作業をすると凹むことが多いのですが・・・。