雇用の非正規化が進んでいますが,公務員も例外ではありません。
2014年の総務省『経済センサス基礎調査・事業所統計』によると,産業中分類の「地方公務」の従業者(135万235人)のうち,正職員は114万4589人,比率にすると84.8%です。よって,それ以外の非正規公務員の占める割合は15.2%となります。
http://www.stat.go.jp/data/e-census/2014/index.htm
今や働く人間の3人に1人が非正規雇用といいますが,公務員の世界でも7人に1人がそうです。この値を都道府県別にみると,最高は沖縄の25.7%,最低は石川の10.4%となっています。
では,もっと下った市区町村レベルではどうか。このレベルのデータを紹介するのが,ここでの主眼です。私は,首都圏(1都3県)の非正規公務比率を同じ方式で出してみました。前後しますが,産業中分類の「地方公務」の中には,教員や警察官などは含まれません。大半が役所の職員とお考えください。
まずは,地図をみていただきましょう。4つの階級を設け,各市区町村に色をつけてみました。
都心部よりは,周辺の郡部で多い感じです。財政がひっ迫している自治体が多いためでしょうか。
では,マックスの値はどれくらいになるか。242市区町村の非正規公務員比率を高い順に並べたランキング表をご覧に入れましょう。
マックスは,千葉県柏市の44.3%です。埼玉西部の広域自治体の秩父市も,4割を超えています。私が住んでいる多摩市は14.6%で,「中の上」あたりです。
一方,非正規雇用の職員がほとんどいない自治体もあります。都内23区では,非正規公務員の比率が最も低いのは千代田区で6.3%です。
公務員は生活が安定するといいますが,それは賞与や福利厚生が充実しているからで,それらがない非正規公務員の悲惨はよく指摘されます。いわゆる,官製ワーキングプアというやつです。
現場のみなさん,上表のデータをみて「やはり」と思う部分がありますか。ご自分の勤務自治体はどこにありますか。資料として,提示しておきます。