前回は,総務省『社会生活基本調査』のB調査データを使って,子どもの平日の過ごし方を仔細に描いてみました。今回は,日曜日をのぞかせていただきましょう。上記調査は,プリコード式のA調査とアフターコード式のB調査からなります。言うまでもなく,対象者の自由な回答を尊重する後者のほうが,詳細を把握するのには適しています。
2006年調査のB調査データを用いて,日曜日の各時間帯(15分刻み)における,10~14歳の子どもの生活行動分布を明らかにしました。数字の出所は,下記サイトの表3-1です。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001009956&cycode=0
下図は,結果を面グラフで表現したものです。それぞれの時間帯において,**をしている者が何割,というように読んでください。
平日では,学校の授業が大きな領分を占めますが,日曜ですので学校はありません。朝も遅いようで,8時になっても3割が寝ています。
日中の過ごし方はというと,スポーツやゲームが多くなっています。前者は,部活動などでしょう。次に目立つのは宿題。塾もちょっと。また,ショッピングや家事(手伝い)も,平日に比したら多くなっています。
夜はテレビ。これも分かる。夜の8時台は,4割の者がテレビの前にいます。日曜のこの時間帯に,何か子ども向けの番組ってありましたっけ。金曜日の夜7時台は,不動の名作,「ドラえもん」があるのですが。私が子どもの頃は,土曜の夜8時に,ドリフの「8時だよ全員集合」がありました。
気になるのは,読書が少ないこと。画像に接するのもいいですが,活字にも接してほしいものです。現在,子どもの読書活動推進に向けた取組がなされていますが,読書というのは,学校の朝の時間に10分ほど強制されてするものではありません。
まあ,休みの日をどう過ごすかは勝手ですので,価値的な評価は下せません。しかし,テレビやゲームの比重が大きいな,という印象は持ちます。後者には,ネットゲームも含まれるでしょう。それにハマり過ぎて社会生活が営めなくなる「ネトゲ廃人」が問題になっていますが,大丈夫かしらん。
2011年の『社会生活基本調査』の結果が順次公表されています。B調査データが公表されたら,同じ図をつくってみるつもりです。どういう模様の変化がみられるやら。コンピュータ関連の授業で,エクセルの操作法を扱う時は,こういう課題を出すとよいのではないかなあ。私は,この手の授業は持ったことはありませんが。