警察官の統計ですが,これがなかなか見当たらない。『警察白書』にも載っていません。しかし,国連薬物犯罪事務所(UNODC)のサイトに,その資料が出ていることに気付きました。国際機関のサイトですので,国別の統計も出ています。
このデータを使って,警察官の女性比率の国際比較をしてみましょう。下の表は,主要国の2012年の統計です。
日本は,全国の警察官25万6700人のうち,女性警官は1万7700人。比率にすると6.9%です。欧米はどの国も10%超で,北欧のスウェーデンでは3割近くにもなります。女性の社会進出が進んでいるお国柄が出ていますね。
これは主要国のデータですが,世界は広し。比較対象を広げてみましょう。値を出せる71か国を,高い順に並べたランキングにしてみました。国名は原資料からコピペしましたので,英語表記になっています。
トップは東欧のラトビアで34.8%,この国では警官の3人に1人が女性であると。先ほどみたスウェーデンやイギリスも上位です。
日本は下から8番目。主要国の中では,圧倒的に低い位置にあります。なるほど,事態を改善する余地はまだまだありそうです。
あと一つ,各国の警察官の絶対量と絡めたグラフを作っておきましょう。警察官の量とは,人口10万人あたりの警察官の数です。この指標も,興味あるところ。下図は横軸に人口10万人あたりの警察官数,縦軸に警察官の女性比率をとった座標上に,71か国を配置した散布図です。
どうでしょう。右上は,警察官の絶対数が多く,かつ女性比率も高い国です。警察の人的整備が充実している国といえましょう。左下はその逆ですが,日本はこのゾーンに位置しています。
横軸の人口あたりの警官数は,他の主要国とほぼ同じですが,やはり女性比率が低いのがネック。2023年までに,この値を10%まで高めることを目標とされていますが,どうなることか。現状は明らかに,先進国にふさわしくない位置であるのは確かです。