2011年2月18日金曜日

鉄道自殺②

 前回の続きです。今回は,どの曜日に鉄道自殺が多いのかを見たいと思います。分析対象は,2009年度に発生した鉄道自殺682件です。出所などについては,前回の記事を参照してください。


 棒グラフばかりでは芸がないので,曜日ごとの分布を円グラフで示してみました。これによると,突出して多い曜日はないようです。きれいに,ほぼ7等分されています。相対的に多いのは月曜日の107件で,全体の15.7%にあたります。「月曜の憂鬱」という,よく知られたフレーズを想起させます。

 単純集計はこれくらいにして,2変数をかけたクロス分析に移りましょう。ここでは,前回みた「時刻」と,今みた「曜日」をかけたマトリックス上に,682件の鉄道自殺がどう散らばるかをみてみようと思います。


 各曜日の最頻値(モード)には,黄色をつけています。日曜日では,お昼の時間帯が最多いようです。仕事は休みですので。一方,平日では,18時以降の帰宅ラッシュの時間帯にピークがみられるケースがほとんどです。

 さて,曜日別・時間帯別のマトリックスでみた場合,最も件数が多いデンジャラス・タイムは,水曜日の18~19時台と,土曜日の16~17時台なっています(赤字)。この点についての解釈は,現段階では思いつきません。言えるのは,平日の夕方,休日の昼間が要注意の時間帯ということです。

 今度は,どの路線で多いかを明らかにしようと思いますが,自殺の統計を立て続けにいじっていると気が滅入ってきます。次回は,主題を変えさせてください。